一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

講演情報

一般演題ポスター

教育

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2018年6月22日(金) 09:50 〜 16:50 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-086] 摂食嚥下障害患者に対するアプローチに関するリカレント教育(DEMCOP)の取り組み

○藤井 航1,2、弘中 早苗3、白石 裕介3、大渡 凡人2 (1. 九州歯科大学口腔保健学科地域・多職種連携教育ユニット、2. 九州歯科大学口腔保健・健康長寿推進センター、3. 九州歯科大学老年障害者歯科学分野)

【はじめに】
 本学では,超高齢社会におけるより安全な歯科治療と摂食嚥下障害の改善をめざし,2016年10月に「口腔保健・健康長寿推進センター(Dental Center for the Medically Compromised Patient:DEMCOP)」を開設しリカレント教育を開始した。大学のある北九州市は,高齢化率は29.7%(2017年9月)と全国の政令指定都市20都市の中で,最も高い。歯科医療においてもその超高齢社会に対する変化への対応は急務である。DEMCOPは,少子高齢化により大きく変化する歯科医療ニーズに対応できる歯科医師・歯科衛生士を育成する目的に開設された,全国初のリカレント教育センターである。教育の柱は「重篤な全身疾患を有する患者の歯科治療を行うためのリスクマネジメント」と「地域に在住する摂食嚥下障害患者に対するアプローチを行うための実践的教育」の2コースである。全8回の講義・実習を通じて,地域の歯科医師・歯科衛生士に対して新たに必要な知識や技術の提供を行う場である。今回は,その概要と活動について報告する。
【対象と方法】
 受講生は,DEMCOPと連携する北九州市内の6歯科医師会会員から選抜された各コース8名ずつである。現在,第3期まで開講され,各コース24名が修了している。その受講生を対象に受講前後のアンケートならびにpre-postテストを行った。
【結果と考察】
 摂食嚥下コースのpre-postテストでは,平均点が有意に上昇し,受講生の理解度が高まっているものと推察された。今後,DEMCOPの活動による地域への医療効果などについて,調査を行っていく予定である。