The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

教育

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Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-087] 有病高齢者歯科治療におけるリスクマネジメントに関するリカレント教育(DEMCOP)の取り組み

○大渡 凡人1、藤井 航2、田山 秀作3、柿木 保明4 (1. 公立大学法人九州歯科大学口腔保健・健康長寿推進センター、2. 公立大学法人九州歯科大学口腔保健学科地域・多職種連携教育ユニット、3. 東京都立広尾病院歯科口腔外科、4. 公立大学法人九州歯科大学老年障害者歯科学分野)

【緒言】
 高齢者は比較的重篤で慢性的な全身疾患をもつことが多く,多彩な薬剤を服用しているために,歯科治療においても全身的偶発症のリスクは高い。また,地域包括ケアシステム等により,在宅歯科医療が推奨され,広く行われるようになってきた。在宅高齢者は外来患者に比較して,より重篤な全身疾患をもつことが多く,一段とリスクは高いといえる。このような患者の安全な歯科治療を実現するためには,エビデンスに基づいた医学的知識と技術によるリスクマネジメントが必要である。しかし,これまで,このような教育は十分とはいえなかった。そこで,本学では口腔保健・健康長寿推進センター(DEMCOP)を設置し,すでに十分な臨床経験のある歯科医療従事者に対し,「重篤な全身疾患を有する患者の質の高い安全な歯科治療を実現するためのリスクマネジメント」という,リカレント教育を行っている。すでに第2期を修了した。本研究では,その有効性と歯科医師の意識について基礎的な検討を行ったので報告する。
【方法】
 DEMCOP開所式参加者90名,第1,2期受講者16名を対象とした,アンケートならびにプレ・ポストテストについて基礎的な解析を行った。
【結果】
 「超高齢社会に対応するうえで歯科医療従事者に最も不足している知識」に関する設問では,「全身疾患に関する医学的知識」が最も多く5割以上を占めていた。3時間の講演ならびに実習の前後で行った同一内容のプレ・ポストテストでは,そのほとんどで有意な点数の上昇を認めた。
【考察】
 講習内容にブラッシュアップの余地があることなど,問題点は少なくないが,その有用性は高いものと思われた。