The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

教育

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Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-090] 某歯科大学歯学部4年生の生や死に対する知識および意識調査

○遠藤 眞美1、野本 たかと1 (1. 日本大学松戸歯学部障害者歯科学講座)

【目的】
 歯科医療職が食支援や口腔ケアなどを通して終末期患者と関わる機会が増加している。現在の歯学教育において死生学や死生観の形成を促す系統的な教育の機会は少なく,終末期患者に関する知識や対応は各人に委ねられている。そこで,死を迎える患者へ適切に関われる歯科医療人の育成にむけた教育を検討するために,歯学部4年生に対し生や死に関する意識調査を実施したので報告する。
【方法】
 対象は日本大学松戸歯学部4年生133人とした。方法は,独自で作成した無記名自記式の質問票を障害者歯科学の講義前(4月)に配布し,回収した。項目は身近な人との死別経験,生や死に対する意識や知識,終末期患者に対する意識とした。
 本研究は日本大学松戸歯学部倫理審査委員会の承認後に行った(EC16-008) 。
【結果と考察】
 身近な人との死別経験のある者は全体の63.2%(109人)であった。「死」に対するイメージは,様々な記載があったが「無」が16.0%(21人)と最も多かった。身近な人との死別経験のある者は,死別経験なしの者に比較して“『死』の意識” ,“家族の余命宣告”,“自分の余命宣告”,“臓器提供”および“歯科医療者として死に関わることがある”について日頃から考えているという回答が有意に多かった(p<0.01,p<0.05)。胃瘻造設の意思決定に“関わりたくない”との回答は死別経験あり7.3%(8人),経験なし18.2%(4人)であった。自身の死別経験によって死生観は異なっていたことから,終末期患者やその家族と向き合える歯科医療人の育成には各人の経験によって得た死生観を尊重しながらプロフェッショナリズムを意識した死生学教育の導入が求められると示唆された。