[S3-2] 高齢者を年齢で定義するのは適切か―社会学の立場から
【略歴】
1977年 立教大学社会学部卒業
1983年 立教大学大学院社会学研究科博士課程中退
1987年 桃山学院大学社会学部助教授
1991年 東京都老人総合研究所社会学研究室長
1996年 北海道医療大学看護福祉学部教授
1999年 聖学院大学人文学部教授
2004年 聖学院大学人間福祉学部教授
2016年 聖学院大学人間福祉学部長兼大学院人間福祉学研究科長
2018年 聖学院大学心理福祉学部長兼人間福祉学部長兼大学院人間福祉学研究科長
日本老年学会理事
日本老年社会科学会理事
1977年 立教大学社会学部卒業
1983年 立教大学大学院社会学研究科博士課程中退
1987年 桃山学院大学社会学部助教授
1991年 東京都老人総合研究所社会学研究室長
1996年 北海道医療大学看護福祉学部教授
1999年 聖学院大学人文学部教授
2004年 聖学院大学人間福祉学部教授
2016年 聖学院大学人間福祉学部長兼大学院人間福祉学研究科長
2018年 聖学院大学心理福祉学部長兼人間福祉学部長兼大学院人間福祉学研究科長
日本老年学会理事
日本老年社会科学会理事
社会生活の加齢変化は,理論的には社会的地位と役割の変化である。地位と役割は大まかには年齢階梯に沿って配分されているので,特定の年齢の人が特定の地位・役割の変化を経験することが多い。しかし,地位・役割の変化はそもそも年齢に依拠する事柄ではないから,暦年齢で「老いた人」の定義をするには本来無理がある。にもかかわらず,現代社会では年齢で「老いた人」の定義をするのが当然とされ,一定の年齢に到達したことをもって地位・役割の変化が引き起こされることすらある。「老いた人」を「高齢者」と言い換えるようになってからは,特にその傾向が顕著である。
制度を設計する際には年齢を指標にせざるをえないかもしれないが,年齢は本来,社会生活の指標としてはきわめて不十分なものでしかない。超高齢社会にあって目ざすべきなのは,暦年齢にかかわらず,希望と能力に応じて参加と社会的活動を可能にするエイジフリーな社会の実現である。
制度を設計する際には年齢を指標にせざるをえないかもしれないが,年齢は本来,社会生活の指標としてはきわめて不十分なものでしかない。超高齢社会にあって目ざすべきなのは,暦年齢にかかわらず,希望と能力に応じて参加と社会的活動を可能にするエイジフリーな社会の実現である。