[認定P-05] 咽後膿瘍発症後に著明な舌下神経麻痺を生じた患者に対し摂食嚥下リハビリテーションを行った一症例
【目的】
咽後膿瘍により舌下神経麻痺を生じ嚥下障害を起こす例は稀である。今回、上咽頭癌への放射線治療後に咽後膿瘍を発症し舌下神経麻痺を生じた患者に対する摂食嚥下リハビリテーションにより、嚥下機能の改善を認めた症例を経験したので報告する。
【症例および処置】
80歳男性。本学医学部附属病院にて右上咽頭癌に対し入院でIMRT施行、70Gyを照射。経口摂取で退院したが、照射終了から2ヵ月後に咽後膿瘍を発症し再入院した。再入院当初から舌下神経麻痺による重度構音障害を呈していた。耳鼻咽喉科での嚥下機能検査にて、重度の嚥下障害のため経口摂取不可と診断されたが、家族の経口摂取への強い希望により当科紹介となった。
当科初診時は、軟口蓋のカーテン兆候、舌の線維束攣縮、右声帯運動麻痺を認め、VF検査では食塊を嚥下できなかったため、間接訓練を指導した。1ヵ月半後、姿勢の調整により直接訓練が可能なレベルまで改善した。同時にPAPの作成を開始した。3週間後にPAPが完成し、さらに1ヶ月後のVF検査では、PAP装着下でとろみ1%4ccを座位で誤嚥なく摂取できた。また、右声帯運動麻痺・軟口蓋のカーテン兆候も消失した。
【結果と考察】
舌下神経は上咽頭放射線治療後に障害される場合があるが、晩期障害であれば発症に平均3〜10年を要するため、本症例は咽後膿瘍が原因である可能性が高い。咽頭周囲の感染症が原因で嚥下障害を発症した報告は複数あるが、本症例では壊死部位が非常に広範囲であり、舌下神経の著明な麻痺を認めた点で他に類を見ない。感染症による重度の嚥下障害に対しても、適切な摂食嚥下リハビリテーションにより嚥下機能が改善することが示された。
咽後膿瘍により舌下神経麻痺を生じ嚥下障害を起こす例は稀である。今回、上咽頭癌への放射線治療後に咽後膿瘍を発症し舌下神経麻痺を生じた患者に対する摂食嚥下リハビリテーションにより、嚥下機能の改善を認めた症例を経験したので報告する。
【症例および処置】
80歳男性。本学医学部附属病院にて右上咽頭癌に対し入院でIMRT施行、70Gyを照射。経口摂取で退院したが、照射終了から2ヵ月後に咽後膿瘍を発症し再入院した。再入院当初から舌下神経麻痺による重度構音障害を呈していた。耳鼻咽喉科での嚥下機能検査にて、重度の嚥下障害のため経口摂取不可と診断されたが、家族の経口摂取への強い希望により当科紹介となった。
当科初診時は、軟口蓋のカーテン兆候、舌の線維束攣縮、右声帯運動麻痺を認め、VF検査では食塊を嚥下できなかったため、間接訓練を指導した。1ヵ月半後、姿勢の調整により直接訓練が可能なレベルまで改善した。同時にPAPの作成を開始した。3週間後にPAPが完成し、さらに1ヶ月後のVF検査では、PAP装着下でとろみ1%4ccを座位で誤嚥なく摂取できた。また、右声帯運動麻痺・軟口蓋のカーテン兆候も消失した。
【結果と考察】
舌下神経は上咽頭放射線治療後に障害される場合があるが、晩期障害であれば発症に平均3〜10年を要するため、本症例は咽後膿瘍が原因である可能性が高い。咽頭周囲の感染症が原因で嚥下障害を発症した報告は複数あるが、本症例では壊死部位が非常に広範囲であり、舌下神経の著明な麻痺を認めた点で他に類を見ない。感染症による重度の嚥下障害に対しても、適切な摂食嚥下リハビリテーションにより嚥下機能が改善することが示された。