[認定P-24] 誤嚥性肺炎後に胃瘻造設となった入院患者が、在宅往診、外来受診へ移行し経口摂取を再開した一例
【緒言】
摂食嚥下障害患者への対応においては多種職と連携しながらその患者に適した栄養摂取方法を指導する事が重要である。我々は入院中の胃瘻患者が在宅往診、外来受診へと移行しながら経口摂取を再開するに至った一例を経験したので報告する。なお本報告の発表については患者本人から文書による同意を得ている。
【症例】
70代、男性。平成30年某月に自宅で意識消失し救急搬送された。腸閉塞により脱水になり脳梗塞を起こした後、嘔吐により誤嚥性肺炎を発症したと診断されていた。翌月入院中の病院に訪問診療を行った。舌の巧緻性低下がみられ、嚥下内視鏡検査では咽頭感覚低下、著しい咽頭収縮力低下を認めた。同月栄養管理のため胃瘻造設された。
【経過】
診断結果から院内の言語聴覚士(以下ST)に間接訓練とゼリーによる直接訓練を依頼した。初診から1か月後再評価し、経管栄養と併用しながらミキサー食を昼食時のみ摂取する事を提案した。初診から2か月後退院に至り、在宅診療に移行した。口腔機能・嚥下機能を評価しながら安全な食事形態・訓練方法の指導を行う一方、管理栄養士を同行し調理方法の指導や、経口摂取量の状況から栄養指導を行った。7か月間の在宅往診での介入により、体重は退院時の41.0kgから42.4kgまで増加し、舌圧も19.8kPaから21.7kPaに増加した。初診から10か月後体調安定し、活動量も増加したため外来受診へと変更した。外来受診時嚥下造影検査により追加嚥下・交互嚥下により常食の経口摂取が可能であると評価したため、主治医へ情報提供し胃瘻の抜去へと至った。また、胃瘻抜去後も外来受診にて間接訓練の指導を行い、口腔機能ならびに摂食嚥下機能の向上を認めた。
【考察】
約一年間の介入により、Functional Oral Intake Scale(FOIS)が、経管栄養とお楽しみ程度の経口摂取が可能なlevel2から、制限なく常食摂取可能なlevel7に改善された。本症例はST、管理栄養士、主治医と連携しながら、患者の状況に合わせて施設往診、在宅往診、外来診療と切れ目の無い介入を継続し、適切な栄養摂取方法と摂食嚥下機能のリハビリテーションについて指導出来た事が、栄養状態や口腔機能、摂食嚥下機能の改善に繋がったと考えられる。
(COI 開示:なし)
摂食嚥下障害患者への対応においては多種職と連携しながらその患者に適した栄養摂取方法を指導する事が重要である。我々は入院中の胃瘻患者が在宅往診、外来受診へと移行しながら経口摂取を再開するに至った一例を経験したので報告する。なお本報告の発表については患者本人から文書による同意を得ている。
【症例】
70代、男性。平成30年某月に自宅で意識消失し救急搬送された。腸閉塞により脱水になり脳梗塞を起こした後、嘔吐により誤嚥性肺炎を発症したと診断されていた。翌月入院中の病院に訪問診療を行った。舌の巧緻性低下がみられ、嚥下内視鏡検査では咽頭感覚低下、著しい咽頭収縮力低下を認めた。同月栄養管理のため胃瘻造設された。
【経過】
診断結果から院内の言語聴覚士(以下ST)に間接訓練とゼリーによる直接訓練を依頼した。初診から1か月後再評価し、経管栄養と併用しながらミキサー食を昼食時のみ摂取する事を提案した。初診から2か月後退院に至り、在宅診療に移行した。口腔機能・嚥下機能を評価しながら安全な食事形態・訓練方法の指導を行う一方、管理栄養士を同行し調理方法の指導や、経口摂取量の状況から栄養指導を行った。7か月間の在宅往診での介入により、体重は退院時の41.0kgから42.4kgまで増加し、舌圧も19.8kPaから21.7kPaに増加した。初診から10か月後体調安定し、活動量も増加したため外来受診へと変更した。外来受診時嚥下造影検査により追加嚥下・交互嚥下により常食の経口摂取が可能であると評価したため、主治医へ情報提供し胃瘻の抜去へと至った。また、胃瘻抜去後も外来受診にて間接訓練の指導を行い、口腔機能ならびに摂食嚥下機能の向上を認めた。
【考察】
約一年間の介入により、Functional Oral Intake Scale(FOIS)が、経管栄養とお楽しみ程度の経口摂取が可能なlevel2から、制限なく常食摂取可能なlevel7に改善された。本症例はST、管理栄養士、主治医と連携しながら、患者の状況に合わせて施設往診、在宅往診、外来診療と切れ目の無い介入を継続し、適切な栄養摂取方法と摂食嚥下機能のリハビリテーションについて指導出来た事が、栄養状態や口腔機能、摂食嚥下機能の改善に繋がったと考えられる。
(COI 開示:なし)