一般社団法人日本老年歯科医学会 第31回学術大会

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口腔機能

[P一般-011] 口腔機能低下症の咬合力検査に用いる感圧フィルムの違いの検討 第2報 カットオフ値の妥当性

○堀部 耕広1、松尾 浩一郎2、池邉 一典3、水口 俊介4、佐藤 裕二5、上田 貴之1 (1. 東京歯科大学老年歯科補綴学講座、2. 藤田医科大学医学部歯科・口腔外科学講座、3. 大阪大学大学院歯学研究科有床義歯補綴学・高齢者歯科学分野、4. 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野、5. 昭和大学歯学部高齢者歯科学講座)

【目的】

口腔機能低下症の診断のための検査の1つである咬合力検査はDental Prescale 50H type R(GC)が使用されるが,後継品として発売されているDental Prescale Ⅱ(GC)も用いられている。両者の測定値間には強い相関関係が示されているものの,50H type Rでの基準値である 200Nと同等の識別力をもつカットオフ値については十分な検討がなされていないのが現状である。そこで我々はDental Prescale Ⅱを用いた咬合力低下の検査のカットオフ値の妥当性を検討することとした。
【方法】
東京歯科大学水道橋病院補綴科を受診した65歳以上の高齢者男女397名(平均年齢71.8±5.3歳)を対象とした。測定順はランダムに振り分け、咬頭嵌合位にて3秒間咬合させ、最大咬合力を測定した。Prescale Ⅱの分析は、圧力フィルタ機能による自動クリーニングなしとありの2種類を行った。分析は、測定者とは異なる2名が行った。50H type R、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)およびPrescale Ⅱ(圧力フィルタあり)の関係を求めるため、Pearsonの相関係数の算出および線形回帰分析を行った。
【結果と考察】
50H type R(x1)に対し、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)(y1)とは相関係数0.761、y=1.593x1+175.7(R2=0.5956)であり、Prescale Ⅱ(圧力フィルタあり)(y)とは相関係数0.793、y2=1.4361x1+59.593(R2=0.662)であった。Prescale Ⅱの圧力フィルタありとなしとの相関係数は0.973であり、y2=0.835y1-71.559(R2=0.947)であった。

得られた回帰式に50H type Rでの咬合力低下の基準値である200Nをあてはめると、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)では494N、Prescale Ⅱ(圧力フィルタあり)では347Nとなり、基準値としては、それぞれ500N、350Nで換算可能であると考えられる。また、分析方法の違いを含め3種類の計測・分析方法があるが、相互の互換性は臨床上問題ないものといえる。
(東京歯科大学倫理審査委員会承認番号 861)