[P一般-010] 口腔機能低下症の咬合力検査に用いる感圧フィルムの違いの検討 第1報 各種フィルムによる測定値の相関関係
【目的】
口腔機能低下症の診断には7項目の口腔機能精密検査を行う必要がある。2016年に日本老年歯科医学会が見解論文を発表した際,咬合力低下の検査はDental Prescale 50H type R(GC)を用いることとされたが,現在は後継品であるDental Prescale Ⅱ(GC)が発売されているのが現状である。しかし両者の測定値の関係性については明らかになっていない。そこで本研究は,同一被験者で50H type RとPrescale Ⅱとを用いて咬合力を測定し,両者の測定値の関係を明らかにすることを目的とした。
【方法】
東京歯科大学水道橋病院補綴科を受診した65歳以上の高齢者男女397名(平均年齢71.8±5.3歳)を対象とした。測定順はランダムに振り分け、咬頭嵌合位にて3秒間咬合させ、最大咬合力を測定した。Prescale Ⅱの分析は、圧力フィルタ機能による自動クリーニングなしとありの2種類を行った。分析は、測定者とは異なる2名が行った。50H type R、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)およびPrescale Ⅱ(圧力フィルタあり)の関係を求めるため、Pearsonの相関係数の算出および線形回帰分析を行った。
【結果と考察】
50H type R(x1)に対し、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)(y1)とは相関係数0.761、y=1.593x1+175.7(R2=0.5956)であり、Prescale Ⅱ(圧力フィルタあり)(y2)とは相関係数0.793、y2=1.4361x1+59.593(R2=0.662)であった。Prescale Ⅱの圧力フィルタありとなしとの相関係数は0.973であり、y2=0.835y1-71.559(R2=0.947)であった。
得られた回帰式に50H type Rでの咬合力低下の基準値である200Nをあてはめると、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)では494N、Prescale Ⅱ(圧力フィルタあり)では347Nとなり、基準値としては、それぞれ500N、350Nで換算可能であると考えられる。また、分析方法の違いを含め3種類の計測・分析方法があるが、相互の互換性は臨床上問題ないものといえる。
(東京歯科大学倫理審査委員会承認番号 861)
口腔機能低下症の診断には7項目の口腔機能精密検査を行う必要がある。2016年に日本老年歯科医学会が見解論文を発表した際,咬合力低下の検査はDental Prescale 50H type R(GC)を用いることとされたが,現在は後継品であるDental Prescale Ⅱ(GC)が発売されているのが現状である。しかし両者の測定値の関係性については明らかになっていない。そこで本研究は,同一被験者で50H type RとPrescale Ⅱとを用いて咬合力を測定し,両者の測定値の関係を明らかにすることを目的とした。
【方法】
東京歯科大学水道橋病院補綴科を受診した65歳以上の高齢者男女397名(平均年齢71.8±5.3歳)を対象とした。測定順はランダムに振り分け、咬頭嵌合位にて3秒間咬合させ、最大咬合力を測定した。Prescale Ⅱの分析は、圧力フィルタ機能による自動クリーニングなしとありの2種類を行った。分析は、測定者とは異なる2名が行った。50H type R、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)およびPrescale Ⅱ(圧力フィルタあり)の関係を求めるため、Pearsonの相関係数の算出および線形回帰分析を行った。
【結果と考察】
50H type R(x1)に対し、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)(y1)とは相関係数0.761、y=1.593x1+175.7(R2=0.5956)であり、Prescale Ⅱ(圧力フィルタあり)(y2)とは相関係数0.793、y2=1.4361x1+59.593(R2=0.662)であった。Prescale Ⅱの圧力フィルタありとなしとの相関係数は0.973であり、y2=0.835y1-71.559(R2=0.947)であった。
得られた回帰式に50H type Rでの咬合力低下の基準値である200Nをあてはめると、Prescale Ⅱ(圧力フィルタなし)では494N、Prescale Ⅱ(圧力フィルタあり)では347Nとなり、基準値としては、それぞれ500N、350Nで換算可能であると考えられる。また、分析方法の違いを含め3種類の計測・分析方法があるが、相互の互換性は臨床上問題ないものといえる。
(東京歯科大学倫理審査委員会承認番号 861)