The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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その他

[P一般-117] 歯間ブラシの使用定着に性格特性および行動の意思が影響を与えるかの検討

○浅枝 麻夢可1、西村 瑠美2、三分一 恵里3、金久 弥生3、梶田 恵介4、原 久美子1 (1. 神戸常盤大学短期大学部口腔保健学科、2. 広島大学大学院医系科学研究科口腔保健疫学研究室、3. 明海大学保健医療学部口腔保健学科、4. 小林製薬株式会社ヘルスケア事業部研究開発部)

【目的】
 40代,50代における歯間部清掃用具使用者割合は,50%未満である。「歯間ブラシの使用定着に性格特性および行動の意思が影響を与える」という仮説をたて,質問紙調査を行った。
【方法】
 対象は,本学主催の「KOBE TOKIWA健康ふれあいフェスタ2018」に参加した50歳以上の健常成人・高齢者で,同意が得られた42名である。時期は2018年10月,2019年5月で,方法は,フェスタ当日に質問紙調査,歯間ブラシ(ナイロン・ゴム)の配布と説明を行い,7か月間,自由に使用してもらった。7か月後に追跡可能であった41名に質問紙を郵送した。質問内容は,初回は①ユングの心理学タイプ測定尺度の応用(以下,性格特性),②エイゼンの計画的行動理論を用いた行動の意思の問い(以下,行動意思),③歯間ブラシ使用状況で,7か月後は初回時と同様の歯間ブラシ使用状況とした。分析は,7か月後における歯間ブラシ使用者の性格特性・行動意思について検討した。統計的処理はStudent’s non-paired t-test,Fisherの正確確率検定を用いた。
【結果と考察】
1.有効回答数は32名で,初回時の歯間ブラシ使用者は25名,未使用者は7名,7か月後の使用者は31名,未使用者は1名で,6名が使用を開始していた。
2.初回時の使用者と未使用者の比較では,行動意思の「行動への態度」,「主観的規範」に有意差を認め(p<0.05),使用者は「歯間ブラシを使用することは良いこと」で,「使用するべきだ」と思っていた。
3.初回時の使用者と,初回未使用で7か月後使用開始者との比較では,性格特性での有意差は認めなかったものの,開始者の方が「思考」が高く,「外向」的な傾向がみられた。
4.初回時ナイロンタイプ使用者18名のうち,ゴムタイプおよび併用に変更した者13名と,未変更者5名の比較では,性格特性の「外向」と行動意思の「行動のコントロール感」に有意差を認め(p<0.05),変更者は「外向」的であり,「歯間ブラシを使用することは難しくないと思っている」ことが示された。
 以上より,歯間ブラシの使用定着には性格特性や行動の意思が影響することが示唆された。また使用開始者がいたことから,このような調査が歯間ブラシ導入の一翼を担う可能性が示された。
(COI開示:無し)
(神戸常盤大学短期大学部研究倫理委員会 第18-03号)