[P一般-120] 口腔保湿剤の保管温度ならびにpHが抗真菌性に及ぼす影響
【目的】本研究の目的は,市販口腔保湿剤(以下,保湿剤)のCandida albicansならびにCandida glabrataに対する抗真菌性に保湿剤の保管温度ならびにpHが及ぼす影響を検討することである.
【方法】試料として保湿剤31種(リキッドタイプ11種,ジェルタイプ20種)を用いた.未開封の試料を研究開始まで,それぞれ25℃ならびに37℃のインキュベーター内で保管した.抗真菌性は,C. albicansならびにC. glabrata を107個播種した50%TSA培地に円柱状の穴を開けて試料を封入し,24時間培養後の発育阻止円を計測した.試料のpH値はガラス電極型pH計を用いて計測した.カンジダの菌種と保湿剤の発育阻止円の発現数との関係についてχ2乗検定を行った.各菌種における発育阻止円の大きさはt検定にて比較した.各菌種における保湿剤の発育阻止円の大きさに保湿剤の保管温度ならびにpHが及ぼす影響について2元配置分散分析と多重比較を行った.
【結果と考察】25℃ならびに37℃の試料どちらにおいてもC. albicans に対する抗真菌性が認められた保湿剤は8種,C. glabrata に対する抗真菌性が認められた保湿剤は12種であり,カンジダの菌種による発育阻止円の出現数に有意差が認められた.また,C. glabrataの発育阻止円の大きさはC. albicansのものと比べ有意に大きかった.2元配置分散分析の結果,C. albicans とC. glabrataの両者において,保湿剤の保管温度ならびにpHに有意差を認め,保管温度とpHの交互作用に有意差は認めらなかった.多重比較の結果,37℃の試料は25℃のものより,中性pHの試料は酸性pHのものより阻止円は有意に大きかった.以上の結果より,口腔カンジダ症に対し抗真菌性を有する保湿剤を用いる場合,保湿剤を37℃に加温することや中性pHの製品を選択することの有効性が示唆された.
【方法】試料として保湿剤31種(リキッドタイプ11種,ジェルタイプ20種)を用いた.未開封の試料を研究開始まで,それぞれ25℃ならびに37℃のインキュベーター内で保管した.抗真菌性は,C. albicansならびにC. glabrata を107個播種した50%TSA培地に円柱状の穴を開けて試料を封入し,24時間培養後の発育阻止円を計測した.試料のpH値はガラス電極型pH計を用いて計測した.カンジダの菌種と保湿剤の発育阻止円の発現数との関係についてχ2乗検定を行った.各菌種における発育阻止円の大きさはt検定にて比較した.各菌種における保湿剤の発育阻止円の大きさに保湿剤の保管温度ならびにpHが及ぼす影響について2元配置分散分析と多重比較を行った.
【結果と考察】25℃ならびに37℃の試料どちらにおいてもC. albicans に対する抗真菌性が認められた保湿剤は8種,C. glabrata に対する抗真菌性が認められた保湿剤は12種であり,カンジダの菌種による発育阻止円の出現数に有意差が認められた.また,C. glabrataの発育阻止円の大きさはC. albicansのものと比べ有意に大きかった.2元配置分散分析の結果,C. albicans とC. glabrataの両者において,保湿剤の保管温度ならびにpHに有意差を認め,保管温度とpHの交互作用に有意差は認めらなかった.多重比較の結果,37℃の試料は25℃のものより,中性pHの試料は酸性pHのものより阻止円は有意に大きかった.以上の結果より,口腔カンジダ症に対し抗真菌性を有する保湿剤を用いる場合,保湿剤を37℃に加温することや中性pHの製品を選択することの有効性が示唆された.