The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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連携医療・地域医療

[P一般-044] 「藤沢市在宅歯科医療地域連携室における業務報告と今後の展望」 

○東澤 雪子1、平山 勝徳1、野村 勝則1、和田 光利1、渡邊 博志1、高橋 恭子1、日吉 美保1、若尾 美知代1、鈴木 裕美子1、吉岡 亜希子1、関野 菜都美1、片山 正昭1 (1. 公益社団法人藤沢市歯科医師会)

【目的】公益社団法人藤沢市歯科医師会では、神奈川県の委託により「在宅歯科医療地域連携室」を2015年より開設・運営している。この事業は、地域における歯科医療機関、医科・介護関係機関、地域包括支援センター等、在宅歯科医療にかかわる者と積極的に連携を取りながら、地域包括ケア体制の整備を図ることを目的とし、当連携室では専任の歯科衛生士が電話相談だけでなく訪問対応して主訴の解決に努めている。今回、2015年~2019年の5年間の業務内容について課題分析し、今後の展望を報告する。
【方法】在宅歯科医療地域連携室の業務は以下の4点である。
①歯科・医科・介護の連携に関する業務及び在宅歯科医療のコーディネートに関する業務
②住民等からの相談等に関する業務③高度医療機器の貸出④在宅歯科医療推進のための研修会
今回は①と②において、2015年~2019年に歯科衛生士が訪問した新規対象者を抽出し、依頼元、依頼内容(主訴)、初期対応(コーディネート)の実態について集計・課題分析した。
【結果と考察】・訪問人数:666人(2015年119人、2016年124人、2017年125人、2018年134人、2019年164人)・依頼元:ケアマネジャー・包括333人(45%)、訪問看護・施設職員65人(10%)、本人・家族89 人(13%)在宅医師165人(25%)、歯科医師27人(4%)、病院19人(3%)
・依頼内容(主訴):歯科治療・義歯424人(64%)、口腔機能・食事栄養129人(19%)、口腔衛生・ケア113人(17%)・初期対応(コーディネート):訪問・往診234人(35%)、高齢者歯科通院159人(24%)、診療所通院107人(16%)、嚥下外来22人(3%)、経過観察・助言のみ144人(22%)
歯科衛生士が訪問することで口腔内の観察、身体状況、介護環境を把握し、利用者一人一人に合わせた「適切な診療形態」へのコーディネートができると考える。そのためにはケアマネジャーや在宅医からの情報収集や連携協働が不可欠である。在宅歯科医療地域連携室は、歯科、医科、介護の連携の要としての役割が果たせるよう、市民や他職種への周知を行い相談件数の増加に努めていき、歯科衛生士も連携のキーパーソンとなれるよう研鑽を積んでいく所存である。
(COI開示:無)
(藤沢市歯科医師会 倫理審査委員会 承認番号2019-010 )