[P一般-050] 急性期病院入院患者の口腔状態に影響を与える全身的因子
【目的】
Oral Health Assessment Tool(OHAT)やRevised Oral Assessment Guideなどの優れた口腔アセスメントツールが開発され,広く臨床で用いられている。回復期病院においては,これらのツールを用いた口腔アセスメントと全身状態の関連について検討されているが,急性期病院においては明らかではない。そこで本研究では,急性期病院入院中の患者においてOHATを用いて評価した口腔状態と全身状態との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は,北九州市内の急性期総合病院(403床)に2018年10月から11月に入院した65歳以上の患者のうち,研究に対する同意の得られた175名(平均年齢80.4±8.2歳,男性68名,女性107名)とした。口腔状態は歯科医師および歯科衛生士が入院後早期にベッドサイドにてOHATを用いて評価し,全身状態は電子カルテの診療情報より抽出した。なお,日常生活動作(Activities of Daily Living : ADL)はBarthel Indexを用い評価した。統計学的解析には二項ロジスティック回帰分析および順序ロジスティック回帰分析を用い,p<0.05を有意とした。
【結果と考察】
175名中62名で,OHATの評価項目のうち1つ以上の項目で病的とされる2を示した。次に,OHATを目的変数,臨床的に口腔状態との関連が疑われる項目(年齢,性別,経口摂取,残存歯数,酸素投与,認知症,ADL)を説明変数として二項ロジスティック回帰分析を行った。その結果,酸素投与,ADLがOHATと有意に関連していた。さらに,OHATの各評価項目と各説明変数との関連を順序ロジスティック回帰分析にて検討した。その結果,舌に対して酸素投与が,歯肉・粘膜,残存歯に対してADLが,唾液に対して年齢,ADLが,義歯に対して残存歯数が有意に関連していた。以上より,急性期病院入院中の患者においては,年齢,残存歯数,酸素投与,ADLが口腔状態と関連している可能性が示された。
(COI開示:なし)
(済生会八幡総合病院倫理委員会 承認番号121)
Oral Health Assessment Tool(OHAT)やRevised Oral Assessment Guideなどの優れた口腔アセスメントツールが開発され,広く臨床で用いられている。回復期病院においては,これらのツールを用いた口腔アセスメントと全身状態の関連について検討されているが,急性期病院においては明らかではない。そこで本研究では,急性期病院入院中の患者においてOHATを用いて評価した口腔状態と全身状態との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は,北九州市内の急性期総合病院(403床)に2018年10月から11月に入院した65歳以上の患者のうち,研究に対する同意の得られた175名(平均年齢80.4±8.2歳,男性68名,女性107名)とした。口腔状態は歯科医師および歯科衛生士が入院後早期にベッドサイドにてOHATを用いて評価し,全身状態は電子カルテの診療情報より抽出した。なお,日常生活動作(Activities of Daily Living : ADL)はBarthel Indexを用い評価した。統計学的解析には二項ロジスティック回帰分析および順序ロジスティック回帰分析を用い,p<0.05を有意とした。
【結果と考察】
175名中62名で,OHATの評価項目のうち1つ以上の項目で病的とされる2を示した。次に,OHATを目的変数,臨床的に口腔状態との関連が疑われる項目(年齢,性別,経口摂取,残存歯数,酸素投与,認知症,ADL)を説明変数として二項ロジスティック回帰分析を行った。その結果,酸素投与,ADLがOHATと有意に関連していた。さらに,OHATの各評価項目と各説明変数との関連を順序ロジスティック回帰分析にて検討した。その結果,舌に対して酸素投与が,歯肉・粘膜,残存歯に対してADLが,唾液に対して年齢,ADLが,義歯に対して残存歯数が有意に関連していた。以上より,急性期病院入院中の患者においては,年齢,残存歯数,酸素投与,ADLが口腔状態と関連している可能性が示された。
(COI開示:なし)
(済生会八幡総合病院倫理委員会 承認番号121)