[P一般-051] 東京歯科大学市川総合病院における口腔カンジダ症の臨床的検討
【緒言】口腔カンジダ症はCandida albicansなどのCandida属菌種を原因菌とする日和見感染である。Candida菌は口腔内常在菌であり、免疫防御機構の異常による宿主と常在菌との均衡が崩れた時に発症する。超高齢社会において、加齢変化に伴う免疫力の低下により発症するため、臨床で遭遇する機会の多い疾患の1つであると言える。
【目的】今回我々は、東京歯科大学市川総合病院に来院した口腔カンジダ症患者の後方視的解析を行うことで、本症の臨床的特徴や治療法について検討を行った。
【方法】2019年4月1日から2019年9月30日に東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科および口腔がんセンターを受診し、口腔カンジダ症の診断と診断された143例について、年齢、性別、既往歴、臨床分類、診断方法、治療法、リスク因子、起因菌などについて後ろ向きに検討を行った。なお本研究は当院の倫理審査委員会の承認を受けている。(承認番号:I 19-87)
【結果】平均年齢は71.3歳で、性別は男性45名女性98名で女性が多い結果となった。既往歴は循環器疾患が最も多く、次いで代謝・内分泌疾患、悪性腫瘍、消化器疾患であった。臨床分類として、偽膜性カンジダ症が全体の約半数を占め、次いで萎縮性、肥厚性カンジダ症であった。カンジダ感染のリスク因子としては口腔乾燥が最も多く、次いで、副腎皮質ステロイド薬の全身および局所投与であった。起因菌のそのほとんどがCandida albicansであったが、Candida glabrataやその他の菌も分離していた。抗真菌薬による治療後の臨床所見および臨床症状ではほとんどの症例で改善を認めたものの10%程度に改善を認めなかった。また再燃は約14%に認められた。
【考察】日和見感染症である口腔カンジダ症は、免疫力の低下した高齢者に発症しやすいという臨床的特徴に矛盾はなかった。抗真菌薬による治療効果は高かったが、再燃を認める症例も一部に認められた。リスク因子として口腔乾燥が高い割合であり、その他の口腔疾患も含めた総合的な治療計画の立案が必要であると考えられた。今後さらなる検討が必要となる。(COI開示:なし)
【目的】今回我々は、東京歯科大学市川総合病院に来院した口腔カンジダ症患者の後方視的解析を行うことで、本症の臨床的特徴や治療法について検討を行った。
【方法】2019年4月1日から2019年9月30日に東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科および口腔がんセンターを受診し、口腔カンジダ症の診断と診断された143例について、年齢、性別、既往歴、臨床分類、診断方法、治療法、リスク因子、起因菌などについて後ろ向きに検討を行った。なお本研究は当院の倫理審査委員会の承認を受けている。(承認番号:I 19-87)
【結果】平均年齢は71.3歳で、性別は男性45名女性98名で女性が多い結果となった。既往歴は循環器疾患が最も多く、次いで代謝・内分泌疾患、悪性腫瘍、消化器疾患であった。臨床分類として、偽膜性カンジダ症が全体の約半数を占め、次いで萎縮性、肥厚性カンジダ症であった。カンジダ感染のリスク因子としては口腔乾燥が最も多く、次いで、副腎皮質ステロイド薬の全身および局所投与であった。起因菌のそのほとんどがCandida albicansであったが、Candida glabrataやその他の菌も分離していた。抗真菌薬による治療後の臨床所見および臨床症状ではほとんどの症例で改善を認めたものの10%程度に改善を認めなかった。また再燃は約14%に認められた。
【考察】日和見感染症である口腔カンジダ症は、免疫力の低下した高齢者に発症しやすいという臨床的特徴に矛盾はなかった。抗真菌薬による治療効果は高かったが、再燃を認める症例も一部に認められた。リスク因子として口腔乾燥が高い割合であり、その他の口腔疾患も含めた総合的な治療計画の立案が必要であると考えられた。今後さらなる検討が必要となる。(COI開示:なし)