[P一般-057] 某歯科診療所における近年の患者実態調査
【目的】
某歯科診療所は、患者搬送サービスを利用した診療所での固定診療と、在宅での訪問診療の 2 本だてで診療を行う在宅高齢者歯科診療施設として平成2年に開設した(以下当診療所)。開設より約 30 年が経過したが、近年、患者の全身状態や診療内容が多様化しており、多職種連携をはかりながらより安全な歯科診療を提供することが求められている。今回我々は、平成 28 年より患者実態調査を開始したので、その内容及び結果について報告する。
【方法】
対象は、平成 28 年 1 月から平成 30 年 12 月の間に当診療所を初診で受診した 218名とし、初診時の担当歯科医師による問診およびカルテをもとに、1.年齢・性別、2.紹介経路、3.寝たきりになった主たる疾患を調査した。またこの期間に受診している全患者について、4.固定診療と訪問診療での処置内容およびX線撮影数について調査した。
【結果と考察】
各年共に、年齢は80~89 歳が最も多く、性別は女性が多かった。また、各年共に80歳以上がほぼ6割を占めており、受診者の高齢化が進んでいるものと考えられる。紹介経路では、会員歯科医師からの紹介が最も多かったが、他にも行政関連、医科医療機関、ケアーマネージャー、介護福祉施設等各所から幅広く紹介されていた。寝たきりになった主たる疾患では、整形外科的疾患が最も多かったが、他に脳血管疾患、高血圧、悪性腫瘍など様々であった。全患者の処置内容を見ると、固定診療では欠損補綴、保存処置、外科処置など幅広く行われているが、訪問診療では義歯関連処置および器質的ケアが中心であった。当診療所では訪問診療では困難な処置も、患者搬送により固定診療で安全に行うことができ、また、器質的ケアや義歯調整などの処置は、患者負担を考慮して訪問で行うという双方の利点を生かした診療体系ができていると考えられる。また、診断にあたり固定診療ではX線撮影を行うが、デンタル撮影は年々増加している。パノラマ撮影も毎年一定数行われており、当診療所のストレッチャー対応パノラマX線撮影装置は、寝たきり高齢者の口腔状態の診断を行う上で有用であると考えられる。今後も地域包括ケアシステムにおいて、更なる連携を図り、要介護高齢者の歯科治療をより安全に行う事が求められていると考えられる。 (葛飾区歯科医師会倫理審査承認番号:2019-01、COI開示:なし)
某歯科診療所は、患者搬送サービスを利用した診療所での固定診療と、在宅での訪問診療の 2 本だてで診療を行う在宅高齢者歯科診療施設として平成2年に開設した(以下当診療所)。開設より約 30 年が経過したが、近年、患者の全身状態や診療内容が多様化しており、多職種連携をはかりながらより安全な歯科診療を提供することが求められている。今回我々は、平成 28 年より患者実態調査を開始したので、その内容及び結果について報告する。
【方法】
対象は、平成 28 年 1 月から平成 30 年 12 月の間に当診療所を初診で受診した 218名とし、初診時の担当歯科医師による問診およびカルテをもとに、1.年齢・性別、2.紹介経路、3.寝たきりになった主たる疾患を調査した。またこの期間に受診している全患者について、4.固定診療と訪問診療での処置内容およびX線撮影数について調査した。
【結果と考察】
各年共に、年齢は80~89 歳が最も多く、性別は女性が多かった。また、各年共に80歳以上がほぼ6割を占めており、受診者の高齢化が進んでいるものと考えられる。紹介経路では、会員歯科医師からの紹介が最も多かったが、他にも行政関連、医科医療機関、ケアーマネージャー、介護福祉施設等各所から幅広く紹介されていた。寝たきりになった主たる疾患では、整形外科的疾患が最も多かったが、他に脳血管疾患、高血圧、悪性腫瘍など様々であった。全患者の処置内容を見ると、固定診療では欠損補綴、保存処置、外科処置など幅広く行われているが、訪問診療では義歯関連処置および器質的ケアが中心であった。当診療所では訪問診療では困難な処置も、患者搬送により固定診療で安全に行うことができ、また、器質的ケアや義歯調整などの処置は、患者負担を考慮して訪問で行うという双方の利点を生かした診療体系ができていると考えられる。また、診断にあたり固定診療ではX線撮影を行うが、デンタル撮影は年々増加している。パノラマ撮影も毎年一定数行われており、当診療所のストレッチャー対応パノラマX線撮影装置は、寝たきり高齢者の口腔状態の診断を行う上で有用であると考えられる。今後も地域包括ケアシステムにおいて、更なる連携を図り、要介護高齢者の歯科治療をより安全に行う事が求められていると考えられる。 (葛飾区歯科医師会倫理審査承認番号:2019-01、COI開示:なし)