一般社団法人日本老年歯科医学会 第31回学術大会

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一般演題(ポスター)

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実態調査

[P一般-073] 当科における口腔悪性腫瘍患者の臨床統計的検討

○仲宗根 敏幸1 (1. 琉球大学医学部附属病院歯科口腔外科)

【緒言】日本の高齢化率は28.0%であり,75歳以上人口は65歳〜74歳人口を上回った。1985年から2018年の33年間に1029例の口腔癌の治療を行っており,33年間の推移と沖縄県の口腔がんの現状を調査した。また,33年間で治療法に変遷が認められた。第一期(1985年-1997年),第二期(1998年-2012年),第三期(2013年-現在)とした。それぞれの時期の治療成績を明らかにし,今後の口腔癌治療の一助となることを目的とした。
【対象及び方法】
1985年から2018年の33年間に当科を受診した悪性腫瘍患者のうち,治療を行った1029例を対象とし,カルテをもとに性別,年齢分布,地域分布、発生部位,組織型等について検討した。
【結果】性別は男性646例(62.8%),女性383例(37.2%),年齢分布は10歳から97歳(平均63.4歳),60歳代が最も多く全体の25.5%であった。地域分布は南部424例(41.2%),中部393例(38.2%),北部112例(10.9%),宮古36例(3.5%),石垣22例(2.1%),久米島14例(1.4%),その他の離島や県外28例(2.7%)であった。発生部位は舌が最も多く485例(47.0%),次いで下顎171例,口底129例,頬粘膜80例,上顎72例,口峡咽頭47例,口蓋26例,口唇15例,大唾液腺5例,上顎洞2例であった。組織型は扁平上皮が最も多く946例で91.9%を占めた。年別患者数の推移では,年平均36.4名であり,年々増加を認めた。年別性別年齢別の推移では,男性の平均年齢61.5歳,女性65.3歳と女性の平均年齢が高値を示した。また,70代を境に男女比の逆転が認められた。近年では女性患者の平均年齢が70歳を超えた。近年,7後期高齢者および超高齢者の患者比率の増加が認められた。33年間で治療法に変遷が認められた。第一期のOS:67.9%,第二期のOS:81.0%,第三期のOS:84.9%であり,33年間のOS:80.5%であった。
【考察】33年間でOSの向上は認められたが,今後更なる高齢者社会に向け,患者個々の個別化治療法を検討し,QOL向上の対策を検討する必要性があると考えられた。
(開示するCOIはありません。)
(琉球大学医学系倫理審査委員会承認番号1535)