[P一般-007] 新型コロナウイルス感染症流行下におけるオンライン診療に対する意識調査
【目的】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行により感染リスクの低減を目的に、オンラインによる診療が推進された。本研究では、摂食嚥下障害を有する患者に対して、オンライン診療についての認識を明らかにすることを目的にアンケートによる意識調査を行った。
【方法】
摂食嚥下リハビリテーションを専門とする歯科クリニックにて外来診療を行っていた患者のうち、2020年4月~5月の緊急事態宣言発令中に診療予約があった者151名(男性86名、女性65名)を対象とした。診療録より年齢、性別、疾患名、摂食嚥下機能障害の重症度、摂食機能獲得段階を採取した。さらに、通院手段、オンライン診療に関する質問をアンケートにて調査した。オンライン診療に関する質問項目の回答頻度について、年齢群(小児患者:15歳以下、成人患者:16~64歳、高齢患者:65歳以上)、通院手段、摂食嚥下障害の重症度、摂食機能獲得段階での比較を行った。検定はカイ2乗検定を行った。
【結果と考察】
アンケート回答者は110名(回収率72.8%)であり、小児患者は38名、成人患者は9名、高齢患者は63名であった。また、本人の回答は61名(55.5%)、家族による回答は49名(44.5%)であった。オンライン診療に関する質問の中で、「使用機器の接続」(p= 0.001)、「使用機器の操作」(p= 0.01)の項目は高齢者で不安と回答する者が多かった。一方、「診断の信頼性」の項目は、小児患者で不安と回答する者が多くみられた(p=0.005)。「オンライン診療の提案があったらどのように考えるか」の質問に対しては、年齢群が高齢になるほど対面診療がよいと回答する者が多い結果となった(p< 0.001)。通院手段や摂食嚥下障害の重症度による回答の差はみられなかった。
各年齢群によってオンライン診療に対する意識の差がみられ、不安に感じている項目が異なっていた。高齢者への普及には機器操作の問題など課題も多いと考えられる。オンライン診療を推進していくにあたり、各世代に応じた対策が必要である。
(日本歯科大学生命歯学部倫理委員会承認番号 NDU-T2020-04)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行により感染リスクの低減を目的に、オンラインによる診療が推進された。本研究では、摂食嚥下障害を有する患者に対して、オンライン診療についての認識を明らかにすることを目的にアンケートによる意識調査を行った。
【方法】
摂食嚥下リハビリテーションを専門とする歯科クリニックにて外来診療を行っていた患者のうち、2020年4月~5月の緊急事態宣言発令中に診療予約があった者151名(男性86名、女性65名)を対象とした。診療録より年齢、性別、疾患名、摂食嚥下機能障害の重症度、摂食機能獲得段階を採取した。さらに、通院手段、オンライン診療に関する質問をアンケートにて調査した。オンライン診療に関する質問項目の回答頻度について、年齢群(小児患者:15歳以下、成人患者:16~64歳、高齢患者:65歳以上)、通院手段、摂食嚥下障害の重症度、摂食機能獲得段階での比較を行った。検定はカイ2乗検定を行った。
【結果と考察】
アンケート回答者は110名(回収率72.8%)であり、小児患者は38名、成人患者は9名、高齢患者は63名であった。また、本人の回答は61名(55.5%)、家族による回答は49名(44.5%)であった。オンライン診療に関する質問の中で、「使用機器の接続」(p= 0.001)、「使用機器の操作」(p= 0.01)の項目は高齢者で不安と回答する者が多かった。一方、「診断の信頼性」の項目は、小児患者で不安と回答する者が多くみられた(p=0.005)。「オンライン診療の提案があったらどのように考えるか」の質問に対しては、年齢群が高齢になるほど対面診療がよいと回答する者が多い結果となった(p< 0.001)。通院手段や摂食嚥下障害の重症度による回答の差はみられなかった。
各年齢群によってオンライン診療に対する意識の差がみられ、不安に感じている項目が異なっていた。高齢者への普及には機器操作の問題など課題も多いと考えられる。オンライン診療を推進していくにあたり、各世代に応じた対策が必要である。
(日本歯科大学生命歯学部倫理委員会承認番号 NDU-T2020-04)