一般社団法人日本老年歯科医学会 第32回学術大会

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一般演題(ポスター)

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一般部門

[P一般-020] 地域の歯科専門職および行政との連携によるオーラルフレイル対策への取り組み

○岡本 美子1、大河 貴久2,3 (1. 京都府歯科衛生士会北支部、2. 京都市北歯科医師会、3. 大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座)

【目的】
 京都市北歯科医師会,京都府歯科衛生士会北支部は,京都市北区および京都市北区地域介護予防推進センターと協同し,口腔機能向上教室等の口腔保健事業を展開してきた。地域の介護老人保健施設を主体とした地区の介護職を対象として口腔ケア研修を実施してきた。2019年からはフレイル・オーラルフレイル対策として,地域住民,地域の多職種を巻き込んだ対応が重要であると考え,計測会や運動プログラムの実践を行ってきた。地区の歯科医師会および歯科衛生士会と多職種・他団体との連携による口腔保健事業の展開に関して2020年の一連の取り組みについて報告する。
【方法】
 2020年2月に『HAPPYキタエちゃん体操~口腔編~』を発表した。YouTubeおよび区役所でのDVD貸し出し,リーフレットを配布し,健口体操の普及につとめた。5月は,新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言発出下での歯科受診について,『地域の皆様へ』という口腔の健康に関する動画を北区役所,京都市北区介護予防推進センターおよび歯科専門職で製作した。12月には,オンライン無料相談,講演配信による口腔機能向上教室を実施した。さらに,各職能団体,行政および地域の大学と連携しフレイル・オーラルフレイル対策の区民向け冊子『専門職が伝える,人生100年時代のフレイル・オーラルフレイル対策』を製作した。
【結果と考察】
 『HAPPYキタエちゃん体操~口腔編~』および『地域の皆様へ』は,京都市公式動画として区民を超え市民全体へ啓発することが出来た。『HAPPYキタエちゃん体操~口腔編~』では,健康作りサポーター(区民)も体操を実践啓発する側として参加して頂くことで,より口腔に興味を持って頂くと共に,サポーターの活動を通して歯科専門職がリーチ出来ない人たちへの啓発も可能となった。緊急事態宣言による過度な自粛による影響に対して問題提起がされる中,ICT,動画および冊子を用いて区民へ,フレイル・オーラルフレイル対策を啓発することが出来た。今後,さらに周知を図ると共に,ICTと実際に手元に届く冊子等を活用し,自宅での口腔機能向上教室の展開を行っていきたい。この冊子体の製作を機に他の事象においても職能団体と連携を深める必要があると考える。
(COI開示:なし)