The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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一般部門

[P一般-022] 認知症のかたと介護者が気軽に立ち寄れる認知症カフェにおいて歯科は貢献できるのか?

○河相 ありみ1 (1. NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン)

【目的】
2014年から都内某所と協働事業で始まった認知症の方と介護者が気軽に立ち寄れることをコンセプトとした認知症カフェの7年にわたる活動を通し,歯科衛生士が参画した経験の省察から,カフェにおける歯科の貢献について考察することが目的である。
【方法】
都内複数の区で開催された認知症カフェは,認知症の方,介護者およびカフェを運営するボランティアスタッフと地域包括支援センター職員等が参画している。専門職は専門職意識を全面に出さず「いつもの暮らし」の中に,生活を邪魔せず,状況を見極めた介入を心がけている。歯科プログラムは「1対参加者」の講話やお口の体操などが行われた。
【結果と考察】
認知症カフェは,認知症のかたが安心して参加できる場である事,認知症の方が希望を持って楽しく参加できる場である事,プログラムなどに囚われない,自由な発想を持って創作できる場である事が重要だ。また開催されたカフェは,介護者にとって安心して参加でき,同じ介護者同士の悩みや思いを話せる場になっている。
医師との個別面談もあり,また多様なプログラムが行われ,歯科プログラムも組み込まれた。第1回目の講話は情報量が多かったこと,また,参加者と一緒に行う体験場面で認知症の方には手順が複雑であった事項について改善を行った。困りごとや今後について,認知症の方,介護者および家族がよりよく生活ができるように歯科ができることを一緒に考える歯科衛生士という立ち位置を意識しながら,介護者の歯科に関する悩みの聴取と認知症の方と一緒に口腔体操を重ねた。その結果,参加者の歯科疾患の予防,口腔衛生,口腔機能の維持向上への早い気づきにつながるなど,貢献できたものと推察された。
今後は,アンケートや追跡調査,アセスメントの作成などを行い,取り組みの効果について検証していく予定である。