The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-32] 地区口腔保健センターにおける摂食機能療法専門歯科医師の取り組み

○村田 志乃1,2 (1. 渋谷区口腔保健支援センター プラザ歯科診療所、2. 悠翔会在宅クリニック 歯科診療部)

【目的】

 渋谷区口腔保健支援センター(以下,口腔保健センター)は,「渋谷区歯と口腔の健康づくり推進条例」に基づき,2014年4月から区民の生涯にわたる歯と口腔の健康づくりを推進する活動の拠点として機能している。主な業務は休日応急診療と障害者・高齢者等の口腔保健事業であり,外来での障害者歯科診療と訪問歯科診療を行っている。2014年12月からは摂食嚥下リハビリテーションと高齢者歯科を専門とする歯科医師が常勤となり,訪問歯科診療に携わるとともに,地域の医療介護従事者に対する摂食嚥下リハビリテーションの教育活動に取り組んできた。今回,その活動の概要について報告する。

【方法】

 2016年7月から2020年3月の期間に,渋谷区内に勤務する医療介護従事者を対象とした摂食嚥下リハビリテーションに関する研修会を開催した。歯科医師会会員を対象とした研修会を3回,歯科衛生士を対象とした研修会を3回,区内の高齢者施設・障害者支援施設の介護・看護職員を対象とした研修会を5施設において計6回実施した。

【結果と考察】

 歯科医師および歯科衛生士を対象とした研修会は,「摂食嚥下障害の原因と病態」,「摂食嚥下障害の評価と対応」,「実習(スクリーニング,間接訓練,食事介助)」の内容で実施した。歯科医師に対しては,具体的な症例を提示して,医療面接,身体所見の評価,スクリーニング,食事場面の観察による評価から問題点を抽出し,対応策を立案することを目標に研修を行った。歯科衛生士に対しては,患者に対して訓練指導を実施できることを目標に,間接訓練,直接訓練,食事介助の方法について研修を行った。施設の介護・看護職員に対しては,ミールラウンドでの評価のポイントや誤嚥性肺炎を予防するための食事介助や口腔ケアの方法をわかりやすく説明することを心掛けた。

 地域の口腔保健活動の拠点である口腔保健センターの歯科医師が摂食嚥下リハビリテーションの専門医として,歯科医師,歯科衛生士,施設職員の研修に関わることで,各医療介護従事者のスキルアップが図られるとともに,在宅療養者・施設入所者の摂食嚥下機能の低下に早期に気づき,情報を共有し,評価・対応へとつなげることができたと考える。