The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-33] Withコロナ時代におけるオンラインでのミールラウンドと多職種参加カンファレンスの取り組み

○戸原 雄1 (1. 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック)

【目的】

施設で生活する摂食嚥下障害患者に対する支援はミールラウンドやカンファレンスの実施による効果が高いことが知られている。しかし本年COVID-19の感染にともない、訪問診療自体を中止する施設が相次いだ。そのため継続的なフォローを要する嚥下障害者へのミールラウンドや多職種カンファレンスを継続することが困難になった。当クリニックではこれらの解決策としてオンライン診療でのミールラウンド並びにカンファレンスを行ったためここに報告する。

【対象と方法】

本取り組みは当クリニックにおいて定期的に対面でのミールラウンドとカンファレンスを行っている施設である特別養護老ホーム1か所、障害者施設1か所において行われた。オンライン診療でのミールラウンドならびにカンファレンスは対面診療と同様に事前カンファレンス、ミールラウンド、事後カンファレンスの順で行った。同席した施設職員は当クリニックによる看護師、ケアマネジャー、管理栄養士、介護士、PT等、当該施設において対面でのミールラウンド、カンファレンスを行っている際に通常参加をする職種である。

事前カンファレンスに関して、施設内の会議室と当クリニック内の診療室内にPCを配置した。施設内の会議室ではなるべく各スタッフの顔が見える場所に外部カメラを起動させたPCを配置し、対象者の食事場面における様子等の聴取を行った。

ミールラウンドでは対象者が通常食事摂取を行っている場所に施設スタッフがPCを持っていき、外部カメラで対象者の食事場面を撮影し、1名の歯科医師がクリニック内で食事場面の観察ならびに評価を行った。対象者の評価がすべて終了したのち、事前カンファレンス同様に事後カンファレンスを行った。

【結果】

 本取り組みを経て施設職員からは便利である、今後も行っていきたい、このような状況において安心であるといった好意的な意見と、対面診療ではできる精密検査ができないため重症な患者を依頼できないのではないかという意見が見られた。

【考察】

遠隔でのミールラウンド並びに多職種参加カンファレンスは、対面での継続した評価が困難であるコロナ禍において、また、その他対面での診療困難な状況に有効であると考える。