The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-35] クモ膜下出血発症後の患者において、退院後の在宅療養に関わり経口摂取を多職種と可能にした事例

○花形 哲夫1 (1. 花形歯科)

【目的】摂食嚥下機能低下による誤嚥性肺炎があり経口からの栄養確保が困難なため、気管切開・胃瘻造設した患者の摂食嚥下治療の診査・診断において地域連携病院における嚥下造影検査(VF)および在宅において嚥下内視鏡検査(VE)を活用した症例を報告する。

【症例の概要と処置】76歳、男性。前立腺がんの既往あり。平成27年11月にクモ膜下出血発症後、A急性期病院に入院、保存的な加療の適応となり気管切開および経管栄養処置を施行された。意識レベルが改善し意思疎通可能となりストーマは外して退院した。退院後、B回復期病院に転院して摂食嚥下訓練を含むリハビリを行ったが、平成28年7月に誤嚥および栄養確保困難なためC病院において胃瘻造設施行を行った。退院時は、痰が多く、気管・口腔からの吸引が多い状態であり、コミュニケーションは言語表を使用するという状況であったが本人・家族の強い希望もあり退院した。退院後に当院への訪問歯科診療の依頼があった。主訴は「誤嚥性肺炎の予防と経口摂取」であった。多職種連携の下、診査・診断・処置・指導を行った。診査時には在宅での嚥下内視鏡検査、またC病院においては、主治医による嚥下造影検査に同席させていただき摂食嚥下機能の診査を行った。医師・訪問看護師・言語聴覚士等の連携の下、全身管理下で摂食嚥下リハビリテーションを行う中で、摂食嚥下機能の改善が見られ誤嚥のリスクが無くなった為胃瘻および気管カニューレを外して経口摂取が可能となった。

【結果と考察】クモ膜下出血発症後に気管切開・胃瘻造設した患者において、約2年間に渡り多職種との連携・協働して全身管理の下、機能回復の為に摂食嚥下リハビリテーションを行うことにより経口摂取が可能となった事例である。一開業医として、摂食嚥下リハビリテーションを行う過程において確定診断は必要がある。その診査方法において在宅等におけるVE、および地域連携病院と連携してVFを行い摂食嚥下機能の確定診断を行うことは不可欠である。