一般社団法人日本老年歯科医学会 第32回学術大会

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-40] スタディグループ「TUNAGERD会」の活動

○若杉 葉子1 (1. 医療法人社団悠翔会 悠翔会在宅クリニック歯科診療部)

目的:診療所、病院、訪問診療など診療の場を問わず、自分の専門領域の治療のみでは診療が完結しない現状がある。生活を支えるためには、歯科医師が口腔内をみるだけでなく全身状態を評価し予後を予測しながら診療すること、医学的な知識に止まらず多方面の知識と広い視野をもち様々なコミュニティと交流することが必要と考え、TUNAGERD会という勉強会を設立した。歯科治療を通じて患者さんの生活を支える「つなげられる」歯科医師の育成を目指して、2年前からオンラインで行うスタディグループを作り活動を開始したので報告する。

方法:メンバーは本学会や医局などで意見交換をしていた歯科医師20名とした。年会費を頂き、年に4回の講師を呼んだ講演と、年に数回講師を呼ばずにメンバー内でディスカッションを行うこととした。オンラインなので多人数ではディスカッションができないのが弱点であるが、固定メンバー内でセミナーをすることにより、同じような目的をもって診療をしている仲間内で知識を得ながらワークショップ形式で実施していくことを目的とした。その日のテーマについて事前に考えた上で参加していただき、セミナーの時間内で質疑応答が終わらない場合は、slackというアプリを利用した。

結果と考察:2年間で計12回の勉強会を開催した。オンラインでの開催は最初は慣れない様子が見られたが、次第に慣れていき質問やディスカッションができるようになった。講師は医師や歯科医師ばかりでなく多様な職種に依頼したが、興味が向き参加者が多いのは医療従事者の講演だった。患者さんをみて行く中で、今自分たちがみている患者さんはその場面が全てではないことを認識し、年齢や疾患の進行、家族状況によって受ける医療の場所や形態が変わっていくなかで、その場面ごとの医療の目的をつないでいける歯科医師になれたらと考える。
メンバーはほとんどが大学病院に在籍し最先端の臨床と研究に携わっていたが、退職し所属する組織が変わった者たちからなっており、今後は、大学から出てメインストリームから外れたからこそ見える臨床を多施設共同研究や講演としてアウトプットしていく組織にすることを考えている。