[SSY-1] 人生100年時代に向けての歯科的ロードマップの構築と課題
【略歴】
1984年 日本大学松戸歯学部
2005年 ニューキャッスル大学大学院 医学系研究科
1993年 日本大学松戸歯学部講師
2007年 マギル大学歯学部兼任教授
2010年 日本大学松戸歯学部教授
2013-2015年 日本大学松戸歯学部学務担当
2017-2020年 日本大学FD推進センター副センター長
2020年 日本大学松戸歯学部付属病院病院長
1984年 日本大学松戸歯学部
2005年 ニューキャッスル大学大学院 医学系研究科
1993年 日本大学松戸歯学部講師
2007年 マギル大学歯学部兼任教授
2010年 日本大学松戸歯学部教授
2013-2015年 日本大学松戸歯学部学務担当
2017-2020年 日本大学FD推進センター副センター長
2020年 日本大学松戸歯学部付属病院病院長
人生100年時代は待ったなしである.課題山積の中,歯科は何をしなければならないのだろうか?多職種連携の中で,どのように軸足を置くべきであろうか?論点整理を怠れば,今後の変化に追いついていけなくなる危機感を感じる.
論点を整理する上で,基礎的な事項をまず整理したい.一つは「疾病と疾患」「未病・有病」の整理である.これはライフステージの間で,横断的な時間軸で考える場合が多い.もう一つは,小児期から最期の時を迎えるまでの関わりである.これは縦断的な観点が必要である.
縦断的な観点から,小児期から終末期まで先制医療の概念でこれからスキームを組み立てなければいけないが,指標の設定や指標の程度が個人にどのような影響を及ぼすのか?それに対する介入は?など明らかでない部分はまだまだ多い.
本シンポジウムはまず,小児歯科の立場から.朝田芳信先生に,小児期から実践すべき歯科的戦略と子ども達の口腔健康へのアプローチが,疾患対応から口腔機能の育成にパラダイムシフトしている点について触れていただく.次に成人期の立場から吉成伸夫先生に,ライフコースアプローチの観点から歯周治療に取り組む点,非感染性疾患(NCDs)を先制医療の指標とし,要支援,要介護予防に繋げる点についてお話をいただく.本川佳子先生には管理栄養士の立場から,疾病予防だけではなく,フレイルといった予防医療へのパラダイムシフトについて触れていただき,その上で「食べることの維持」に関する支援が様々なライフステージで求められること,そこに関わる歯科と栄養の連携と推進についてお話をいただく.
そして高齢期であるが,健康長寿社会の実現を目指す戦略を支えるにはエビデンスが必要である.特に洗練された Prospective Studyや疫学研究は非常に貴重であるが,残念ながら多く輩出されているとは言い難い,岩崎正則先生には口腔の機能,それを支える歯と歯肉の健康が健康長寿に与える影響に関連する疫学研究を整理いただき,今後の様々な戦略について論じていただく.池邉一典先生には超高齢期における歯と口腔機能の問題点を整理していただき,自立した高齢者と,それ以降の超高齢期・要介護期の厳しい状況への対応について大きな視点で整理をして,論じていただく予定である.
歯科受診率が一定年齢から低下する現状がある中,本シンポジウムが今までの疾患型から疾病型,そして予防医療への転換を促すエポックとなり「人生100年時代」に歯科がワンチームで行えるロードマップの礎ができれば幸いである.
論点を整理する上で,基礎的な事項をまず整理したい.一つは「疾病と疾患」「未病・有病」の整理である.これはライフステージの間で,横断的な時間軸で考える場合が多い.もう一つは,小児期から最期の時を迎えるまでの関わりである.これは縦断的な観点が必要である.
縦断的な観点から,小児期から終末期まで先制医療の概念でこれからスキームを組み立てなければいけないが,指標の設定や指標の程度が個人にどのような影響を及ぼすのか?それに対する介入は?など明らかでない部分はまだまだ多い.
本シンポジウムはまず,小児歯科の立場から.朝田芳信先生に,小児期から実践すべき歯科的戦略と子ども達の口腔健康へのアプローチが,疾患対応から口腔機能の育成にパラダイムシフトしている点について触れていただく.次に成人期の立場から吉成伸夫先生に,ライフコースアプローチの観点から歯周治療に取り組む点,非感染性疾患(NCDs)を先制医療の指標とし,要支援,要介護予防に繋げる点についてお話をいただく.本川佳子先生には管理栄養士の立場から,疾病予防だけではなく,フレイルといった予防医療へのパラダイムシフトについて触れていただき,その上で「食べることの維持」に関する支援が様々なライフステージで求められること,そこに関わる歯科と栄養の連携と推進についてお話をいただく.
そして高齢期であるが,健康長寿社会の実現を目指す戦略を支えるにはエビデンスが必要である.特に洗練された Prospective Studyや疫学研究は非常に貴重であるが,残念ながら多く輩出されているとは言い難い,岩崎正則先生には口腔の機能,それを支える歯と歯肉の健康が健康長寿に与える影響に関連する疫学研究を整理いただき,今後の様々な戦略について論じていただく.池邉一典先生には超高齢期における歯と口腔機能の問題点を整理していただき,自立した高齢者と,それ以降の超高齢期・要介護期の厳しい状況への対応について大きな視点で整理をして,論じていただく予定である.
歯科受診率が一定年齢から低下する現状がある中,本シンポジウムが今までの疾患型から疾病型,そして予防医療への転換を促すエポックとなり「人生100年時代」に歯科がワンチームで行えるロードマップの礎ができれば幸いである.