一般社団法人日本老年歯科医学会 第33回学術大会

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師更新ポスター

[摂食更新P-06] 摂食機能療法専門歯科医師としての教育活動

○岩山 和史 (医療法人 藤井歯科)

【目的】
 摂食嚥下障害の方の多くは,「VF・VE検査できない現場」「専門医やベテランSTがいない現場」で暮らしている。「できない」「いない」環境の中,医療介護関係者は摂食嚥下障害への対応方法が分からず悩み,疲弊していることも多い。そのような方々の悩み事に応えるべく,演者はこれまで多職種向けのセミナーを行ってきた。今回は2020年から行っている日総研出版でのセミナーの内容を報告する。
【方法】
 1)セミナータイトル:VF・VE検査/専門的な嚥下訓練に頼らなくても実践できる、認知症・脳血管障害の摂食嚥下障害への残存機能を活かしたアプローチ
 2)セミナー形式:オンデマンド形式(約4.5時間)。2020年,2021年に各3回配信した。配信後にはアンケートを行った。
 3)セミナーの特色:①本セミナーで紹介する嚥下評価の方法は3つある。1つ目は食べる時の「口元の動き」を見て,食事が口の機能にマッチしているかどうかを判定する方法。2つ目は頸部聴診で「呼吸音,嚥下音」を聞き,喉の中をイメージする方法。3つ目は食事中の「食行動のパターン」を考察することで,食物認知の障害タイプを判別する方法である。②本セミナーで紹介するアプローチ法は,専門的な訓練法ではなく,「残存機能を引き出す」方法である。職種や経験を問わず実践できる方法として,食事調整,姿勢調整,食事ケアの3つを取り上げ,症例検討を交えて解説している。
【結果と考察】
 申込者数は2020年が162人,2021年が126人であった。
 アンケート結果(回収率:26.7%):①職種は看護師が多かった。所属先は病院が多かった。経験年数は5年以上が多かった。②満足度:大変満足+満足との回答が9割以上であった。③参加者の声:すぐに実践できるような動画内容であった。オンデマンドだったのもあり,何度も見直し・聞き直し等ができたので対面より充実していた。口の機能と食形態の調整に頭を悩ませていたが,とても分かりやすかった。呼吸音と嚥下音も分かりやすい音で勉強になった。残存機能を引き出すだけでも十分良くなることに感動した。④もっと知りたかったこと:脳血管障害,終末期,食事拒否,姿勢調整の事例など。
 今後もアンケート結果を踏まえてブラッシュアップを重ねる予定である。多くの現場の悩みを解消できるような情報を提供したいと考える。
(COI開示:なし)(倫理審査対象外)