一般社団法人日本老年歯科医学会 第33回学術大会

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一般演題(口演発表)

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一般口演4 連携医療・地域医療/介護・介護予防

2022年6月11日(土) 14:50 〜 15:50 第3会場 (りゅーとぴあ 2F スタジオA)

座長:石田 瞭(東京歯科大学摂食嚥下リハビリテーション研究室)

[O4-02] 在宅医科診療所との医科歯科連携の推進にむけた取り組みの活動報告

○齋藤 貴之 (ごはんがたべたい歯科クリニック)

【目的】
 我々は2020年4月に地域における食支援と摂食嚥下リハビリテーションを主軸とした歯科クリニックを開院した。現在は在宅医療機関や地域の中核病院と協力医療機関として連携し、歯科的な問題や食事の問題の解決に取り組んでいる。今後の医科歯科連携にむけ、当院の取り組みの現状と課題の共有をはかることを目的に調査を行った。
【方法】
 クリニック開院時とクリニック運営一年半後で協力医療機関として連携しているやまと診療所のスタッフ約50名に対して歯科ニーズについての調査を行った。アンケート調査はWEB質問票を用いて、質問内容と調査の趣旨、調査結果の公表についての説明後、無記名で回答してもらった。
【結果および考察】
 開院直後のアンケート調査ではほとんどが具体的なニーズは思い当たらず、歯科の取り組みについて分からないという意見が大半をしめていた。開院後は患者を共有しながら、歯科が行っていることについて随時報告し、 その場でカンファレンスを行った。しかしながら開院一年後の調査でも担当患者の口腔内の状態を見て、義歯の不具合や歯科疾患を抽出するのは難しいとの意見が聞かれた。一方で、食事についての課題は患者の訴える問題点や歯科介入後の改善、結果の共有が分かりやすいとのことであった。またこれまでは食事に関して相談する窓口がなかったが歯科開設後は相談する窓口ができたという意見も聞かれた。歯科介入後の現状はアンケート調査の回答内容に類似し、摂食嚥下障害で歯科診療依頼を受けたものの、訪問してみると義歯などの歯科的問題や口腔衛生状態に原因があるケースも多く存在した。このことから歯科的な問題があるにも関わらず、食事に関する訴えがないため、歯科医療機関につながっていない潜在患者はまだまだ多く地域に存在していると推察された。今後も地域の医科医療機関との連携推進によって現状の課題の解決に取り組んでいきたいと考えている。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)