[P2-06] 成人期における口腔機能発達不全の実態調査
【目的】
平成30年度に、口腔機能管理の充実を目的に口腔機能発達不全症と口腔機能低下症が同時に歯科医療保険に新規収載された。しかし、口腔機能発達不全症と口腔機能低下症の対象年齢間のデータはない。そのため、口腔機能が正常に発達せず、口腔機能発達不全症を有する成人が一定数存在することが考えられる。
本研究では、口腔機能発達不全症の対象年齢以降の患者について、実態を調査することを目的としてパイロット研究を行った。
【方法】
本研究は、地域歯科医院に協力を求め、任意で調査を行った。対象者は、口腔機能発達不全症の対象年齢以降の15歳から45歳までとし、摂食機能障害の原因疾患を有さない患者とした。評価方法は、口腔機能発達不全症(離乳完了後)のチェックリストを用いて、歯科医師が判定した。
データは、年齢を6区分(① 15~20歳・② 21~25歳・③ 26~30歳・④ 31~35歳・⑤ 36~40歳・⑥ 41~45歳)に分けて解析した。
【結果と考察】
6歯科医院(東京都・山梨県・長野県・岐阜県)から48名のデータが集まり、口腔機能発達不全症の該当者は、 10名(① 3/6名・② 0/3名・③ 0/14名・④ 2/6名・⑤ 3/7名・⑥ 2/12名)であった。
該当者の食べる機能(A)のチェック項目で一番多いのは「C-5 咀嚼時間が長すぎる、短過ぎる」5名と「C-6 偏咀嚼がある」5名であった。また、その他の項目では、「C-14 口呼吸がある」 7名であった。①15~20歳の食べる機能(A)では「C-2 機能的因子による歯列・咬合の異常がある」2/3名であり、その他では「C-10 口唇閉鎖不全がある(安静時に口唇閉鎖を認めない)」3/3名であった。
調査地と調査施設の選定基準がないため、口腔機能発達不全症の該当者の割合は正確ではないが、一定数の割合で口腔機能発達不全症の該当者がいることを確認した。一方、成人期初期以降に症状が出ると考えられるチェック項目も予測でき、早期に口腔機能低下が起こっている可能性も否定できない。しかし、15~20歳から症状が継続し口腔機能に何らかの問題を有する者も認められたため、口腔機能の継続した管理が必要であることが示された。
(COI 開示:なし)
(日本歯科大学生命歯学部 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2021-36)
平成30年度に、口腔機能管理の充実を目的に口腔機能発達不全症と口腔機能低下症が同時に歯科医療保険に新規収載された。しかし、口腔機能発達不全症と口腔機能低下症の対象年齢間のデータはない。そのため、口腔機能が正常に発達せず、口腔機能発達不全症を有する成人が一定数存在することが考えられる。
本研究では、口腔機能発達不全症の対象年齢以降の患者について、実態を調査することを目的としてパイロット研究を行った。
【方法】
本研究は、地域歯科医院に協力を求め、任意で調査を行った。対象者は、口腔機能発達不全症の対象年齢以降の15歳から45歳までとし、摂食機能障害の原因疾患を有さない患者とした。評価方法は、口腔機能発達不全症(離乳完了後)のチェックリストを用いて、歯科医師が判定した。
データは、年齢を6区分(① 15~20歳・② 21~25歳・③ 26~30歳・④ 31~35歳・⑤ 36~40歳・⑥ 41~45歳)に分けて解析した。
【結果と考察】
6歯科医院(東京都・山梨県・長野県・岐阜県)から48名のデータが集まり、口腔機能発達不全症の該当者は、 10名(① 3/6名・② 0/3名・③ 0/14名・④ 2/6名・⑤ 3/7名・⑥ 2/12名)であった。
該当者の食べる機能(A)のチェック項目で一番多いのは「C-5 咀嚼時間が長すぎる、短過ぎる」5名と「C-6 偏咀嚼がある」5名であった。また、その他の項目では、「C-14 口呼吸がある」 7名であった。①15~20歳の食べる機能(A)では「C-2 機能的因子による歯列・咬合の異常がある」2/3名であり、その他では「C-10 口唇閉鎖不全がある(安静時に口唇閉鎖を認めない)」3/3名であった。
調査地と調査施設の選定基準がないため、口腔機能発達不全症の該当者の割合は正確ではないが、一定数の割合で口腔機能発達不全症の該当者がいることを確認した。一方、成人期初期以降に症状が出ると考えられるチェック項目も予測でき、早期に口腔機能低下が起こっている可能性も否定できない。しかし、15~20歳から症状が継続し口腔機能に何らかの問題を有する者も認められたため、口腔機能の継続した管理が必要であることが示された。
(COI 開示:なし)
(日本歯科大学生命歯学部 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2021-36)