[P4-07] 地域在住自立高齢者における口腔関連QOLと抑うつとの相関
【目的】
高齢者の抑うつ状態は他の年代層よりも多く認められ、抑うつは口腔と相互に関連しあっていることが報告されている。抑うつが不定愁訴や歯科疾患の症状の憎悪を介し口腔関連QOLを低下させていることや口腔関連QOLを低下させる口腔の諸問題がストレスとなり抑うつを呈していることが考えられる。しかし、個々の口腔関連QOLと抑うつとの関わりの程度は不明である。そこで本研究では、抑うつと口腔関連QOLについて相関分析を行い、それらの関連性について検討をした。
【方法】
地域在住の自立高齢者300名に孤独感、抑うつ状態をスクリーニングするための調査用紙を郵送した。63名から返信があり(返送率21%)、記入漏れのあった5名を除く58名を分析対象とした。橋元の方法を用いて、Zungによるself-rating depression scaleから3項目、工藤・西川の孤独感尺度から4項目を抜粋した計7問の質問項目に5段階で解答を得た。口腔関連QOLの評価にはGOHAIを用いた。抑うつ・孤独感の各質問項目とGOHAIの12の質問項目についてSpearmanの順位相関係数を算出した。有意水準は0.05とした。(北海道医療大学倫理審査委員会承認番号第194号)
【結果と考察】
GOHAIの「口の中の調子が悪いせいで、人目を気にする」は抑うつ・孤独感の6項目と、「食べ物や飲み物を、楽にすっと飲み込めない」、「口の中の調子のせいで、思い通りにしゃべられない」、「口の中の調子のせいで、人とのかかわりを控えることがある」は5項目と有意な正の相関を認めた。一方、「口の中の調子のせいで、人との関わりを控えた」は1項目と有意な正の相関を認めた。最も相関係数が大きかったのは「食べ物や飲み物を、楽にすっと飲み込めない」と「落ち着かず、じっとしていられない」の組み合わせで、相関係数は0.52だった。本調査から抑うつは口の中の調子の悪さよりも嚥下機能と相関が高かった。嚥下障害の原因の一つに抑うつが挙げられており、抑うつを伴う高齢者に現れやすい頭頸部の兆候の一つに嚥下障害が挙げられる可能性が示唆された。
(COI開示:なし)
高齢者の抑うつ状態は他の年代層よりも多く認められ、抑うつは口腔と相互に関連しあっていることが報告されている。抑うつが不定愁訴や歯科疾患の症状の憎悪を介し口腔関連QOLを低下させていることや口腔関連QOLを低下させる口腔の諸問題がストレスとなり抑うつを呈していることが考えられる。しかし、個々の口腔関連QOLと抑うつとの関わりの程度は不明である。そこで本研究では、抑うつと口腔関連QOLについて相関分析を行い、それらの関連性について検討をした。
【方法】
地域在住の自立高齢者300名に孤独感、抑うつ状態をスクリーニングするための調査用紙を郵送した。63名から返信があり(返送率21%)、記入漏れのあった5名を除く58名を分析対象とした。橋元の方法を用いて、Zungによるself-rating depression scaleから3項目、工藤・西川の孤独感尺度から4項目を抜粋した計7問の質問項目に5段階で解答を得た。口腔関連QOLの評価にはGOHAIを用いた。抑うつ・孤独感の各質問項目とGOHAIの12の質問項目についてSpearmanの順位相関係数を算出した。有意水準は0.05とした。(北海道医療大学倫理審査委員会承認番号第194号)
【結果と考察】
GOHAIの「口の中の調子が悪いせいで、人目を気にする」は抑うつ・孤独感の6項目と、「食べ物や飲み物を、楽にすっと飲み込めない」、「口の中の調子のせいで、思い通りにしゃべられない」、「口の中の調子のせいで、人とのかかわりを控えることがある」は5項目と有意な正の相関を認めた。一方、「口の中の調子のせいで、人との関わりを控えた」は1項目と有意な正の相関を認めた。最も相関係数が大きかったのは「食べ物や飲み物を、楽にすっと飲み込めない」と「落ち着かず、じっとしていられない」の組み合わせで、相関係数は0.52だった。本調査から抑うつは口の中の調子の悪さよりも嚥下機能と相関が高かった。嚥下障害の原因の一つに抑うつが挙げられており、抑うつを伴う高齢者に現れやすい頭頸部の兆候の一つに嚥下障害が挙げられる可能性が示唆された。
(COI開示:なし)