The 33rd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター発表)

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ポスター発表9 その他

[P9-05] 口腔機能低下症と体組成との関連に関する臨床的研究

○野澤 一郎太、藤原 基、堤 一輝、玉置 勝司 (神奈川歯科大学大学院総合歯科学講座顎咬合機能回復分野)

【目的】
 口腔機能の主観的な些細な衰えに対して,それを客観的に評価する目的で,現在「舌機能,咬合力,舌口唇運動機能,咀嚼機能,嚥下機能,口腔不潔状態,口腔乾燥状態」が推奨され,「口腔機能低下症」と診断し、栄養指導などの管理指導が行われている。本研究の目的は口腔機能低下症と体組成,特に低栄養との関連性に着目し, 低栄養の兆しを早期に推定できる『口腔機能低下症』の検査項目の中から全身状態を評価し,予測する有効な因子について検討することにある.
【方法】
対象は,2017年12月から2020年9月までの神奈川歯科大学附属病院医科歯科連携センターにおいて本研究に同意した研究協力者131名を対象とし,口腔機能低下症検査指標と低栄養検査指標との関連性について調査した。口腔機能低下症の検査指標として咀嚼能力,咬合力検査,舌圧,滑舌,口腔乾燥,口腔不潔,EAT-10を使用した.低栄養検査指標として体脂肪率,BMI,SMI,握力,ふくらはぎ周囲長,血清アルブミン,総蛋白を使用した。統計解析は, 単変量解析,多変量解析(重回帰分析結果)を行った(JMP(Ver14.3.0)。
【結果と考察】
単変量解析の結果において,舌圧検査,口腔不潔度,滑舌検査,EAT-10において低栄養検査指標との関連性が認められた。また,多変量解析においては,舌圧検査と口腔不潔度検査との関連性が認められた。このことから, 全身状態を評価し予測できうる『口腔機能低下症』の検査として,舌の運動機能の舌圧測定と舌の衛生状態の検査口腔不潔度と舌圧の検査が有効であることが示唆された.
COI開示:なし
神奈川歯科大学 倫理審査委員会承認番号 第579番