The 33rd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター発表)

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ポスター発表9 その他

[P9-06] 部分義歯の隣接歯清掃を効果的に行う新形状歯ブラシの評価

○山根 麻姫子1、鈴木 秀典2 (1. サンスター株式会社 研究開発統括部 基盤事業研究開発部、2. 一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所)

【目的】
 近年高齢者の増加に伴い、部分欠損の患者が増加しており、何らかの義歯(ブリッジ・部分義歯・総義歯)を使っている人の割合は年齢とともに高く、後期高齢者では84%に達するとの報告がある。そのうちでも、取り外し可能な部分義歯に接している歯の側面(欠損隣接面)は歯ブラシの毛が届きにくくプラークが残りやすく、隣接歯のう蝕、歯周病の原因となり、さらなる歯の喪失へ至る可能性がある。欠損隣接面は歯ブラシに加え、ワンタフトブラシ等を併用して清掃することが指導されるが、実際のワンタフトブラシの使用率は高くなく、また使用されている場合でも効果的にプラーク除去ができているとは言い難い。そこで、8字型のブラシヘッド部をもち、そのくびれた植毛部の毛束で欠損隣接面を清掃することを目的とし開発した新形状歯ブラシ(ガム・オラフレ8字ブラシ[ふつう」;サンスター株式会社)に関して、その清掃効果を確認した。
【方法】
 サンスター財団千里歯科診療所に来院する部分義歯使用者を対象とし、普段使用する歯ブラシでの隣接歯および残存歯全体のプラーク残りについて評価を行った。その際に、欠損隣接面のブラッシングに関する意識の調査、 およびプラークの付着度を評価した。被験者へのTBIを行い、家庭で新形状歯ブラシを用いたセルフブラッシングを実施し、約3週間の使用後、隣接歯および残存歯全体のプラーク残りについて評価を行い、その結果を比較した。
【結果と考察】
 アンケート結果において、欠損隣接面へのブラッシングについての意識は高いことが分かったが、実際の観察においては多くの患者においてプラークの付き残りが観察された。残存歯全体、および部分義歯の隣接歯に対するプラーク除去能力について、新形状歯ブラシは、有意に高い傾向がみられた。
 欠損隣接面の清掃を目的とし開発した新形状ハブラシは、部分義歯患者の効果的な口腔衛生に寄与できると考える。

(COI開示:サンスター株式会社)(サンスター株式会社 妥当性評価委員会 21/上-01)