The 33rd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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シンポジウム » [シンポジウム6] 認知症シンポジウム:認知症の人の歯科治療:地域特性に合った連携とは

シンポジウム6
認知症シンポジウム:認知症の人の歯科治療:地域特性に合った連携とは

Sat. Jun 11, 2022 10:50 AM - 12:20 PM 第2会場 (りゅーとぴあ 5F 能楽堂)

座長:枝広 あや子(東京都健康長寿医療センター研究所 研究員)、高田 靖(東京都豊島区歯科医師会 副会長)

*専門医申請者研修

[SY6-2] 社会資源が多くない地域の連携

○澤田 弘一 (鏡野町国民健康保険上齋原歯科診療所)

【略歴】
1992年 岡山大学歯学部歯学科 卒業
1992年 岡山大学歯学部附属病院医員(第二保存科) 入局
1996年 岡山大学歯学部附属病院 文部教官助手 (第二保存科)
1998年 上齋原村国民健康保険歯科診療所 所長
1999年 上齋原村国民健康保険歯科保健センター センター長(兼務)
2004年 鏡野町国民健康保険上齋原歯科診療所 
2016年 鏡野町国民健康保険奥津歯科診療所 所長 (兼務)現在に至る
【抄録】
認知症の人を支える医療・介護・保健・福祉に関するインフラ・地域特性:
当地域は、人口12,604人(2021年)、高齢化率36.60%(2015年)の山間僻地である。平成17年3月1日に富村、奥津町、上齋原村および鏡野町が対等合併して、現在の鏡野町が発足した。各旧自治体に、行政機関、医療および介護施設が設置されており、各診療所の医師は鏡野国民健康保険病院から、各歯科診療所の歯科医師は、岡山大学病院からそれぞれ派遣されている。
認知症初期集中支援チームの成り立ち、および医療・介護関係者との多職種連携の方法:
2000年(平成12年):介護保険制度が始まり、当地域で歯科医師として赴任していたが、ケアマネージャーが私だけであったため、ケアマネージャーとしても2年間実働を行い、他の職員がケアマネージャーの資格を得たので、現在は引き継いでいる。その時から、認知症と口腔に関しての問題意識は強くもち、介護保険計画にも加えていた。
2008年(平成20年):当地域で特に「家族によって隠されている問題」についての調査を行った。その調査の1位が口腔に関することであった。ちなみに、2位は認知症、3位は自殺であった。
当地域は、3世代~4世代で暮らしている世帯が多く、故意でなくても、上記の健康課題が家族によって隠されてしまうと、保健師などの行政サービスが家の中の問題まで深く入り込めない事情があったため、この調査を行った。逆に、独居または高齢者のみの世帯の場合に対しては、直接に、行政・医療・介護機関が訪問・相談・介入・医療介護連携ができている。
2009年(平成21年)~2010年(平成22年):私的に「地域包括医療ケア講座」を発足させた。
2011年(平成23年)~2013年(平成25年):活動の成果が認められ、町の事業として、「鏡野町地域包括ケア講座」として、予算が付き、多職種の協力が得られるようになった。
特に、個別事例に対応は、国民健康保険歯科保健センター事業で行うようになった。
2014年(平成26年)~:「鏡野町地域包括ケア講座」は、他の地域ケア会議・委員会などの医療・介護事業とともに再編され、現在は「鏡野町在宅医療・介護連携推進事業協議会」に統合されており、その中に認知症初期集中支援チームが設置された。
社会資源が多くない地域の連携:
一人の専門職が複数の仕事をこなすことになる。そのため、その専門職の中ですでに連携が確立する。一人の専門職にかかる重圧は多大であるが、人口の多い地域での連携の困難さと比較すれば、相殺されているのかもしれない。