[SY11-4] 医学部歯科口腔外科での病院歯科活動
【略歴】
2013年3月 朝日大学 歯学部 歯学科卒業
2013年4月~2014年3月 朝日大学歯学部付属病院 研修歯科医
2014年4月~2015年3月 藤田保健衛生大学病院(現 藤田医科大学病院) 研修歯科医
2015年4月~2017年3月 藤田保健衛生大学(現 藤田医科大学) 医学部 歯科 助手
2017年4月~現在に至る 藤田医科大学 医学部 歯科・口腔外科学講座 助教
【所属学会】
日本老年歯科医学会 認定医
日本障害者歯科学会 認定医
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士
日本臨床栄養代謝学会
2013年3月 朝日大学 歯学部 歯学科卒業
2013年4月~2014年3月 朝日大学歯学部付属病院 研修歯科医
2014年4月~2015年3月 藤田保健衛生大学病院(現 藤田医科大学病院) 研修歯科医
2015年4月~2017年3月 藤田保健衛生大学(現 藤田医科大学) 医学部 歯科 助手
2017年4月~現在に至る 藤田医科大学 医学部 歯科・口腔外科学講座 助教
【所属学会】
日本老年歯科医学会 認定医
日本障害者歯科学会 認定医
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士
日本臨床栄養代謝学会
【抄録】
高齢者は、加齢変化に伴いさまざまな疾患にかかりやすくなる。大学病院は重症度・緊急度の高い疾患をもつ高齢者が入院する場合が多く、歯科疾患においても同様の対応が求められる。このため大学病院の歯科口腔外科には口腔外科疾患に対する中核病院としての役割があり、歯学部を併設しないすべての大学病院が口腔外科、歯科口腔外科を標榜し、日本口腔外科学会の認定施設となっていることもうなずける。一方で、このように多くの高齢者を診療しているにもかかわらず、日本老年歯科医学会の認定研修施設は慶応義塾大学病院、福岡大学病院、琉球大学病院と私たちの藤田医科大学病院の4施設のみである。
近年、これら重症度・緊急度の高い疾患に対する周術期の集約的管理の重要性が認められるようになり、歯科でも周術期口腔機能管理が診療報酬に導入されてから10年の年月が過ぎようとしている。さらに、2018年には周術期等口腔機能管理と改称され、手術症例のみならず放射線・化学療法さらには緩和ケアの患者へと対象も拡大されていくなか、大学病院や市中病院での歯科口腔外科の役割にも変化が生じてきている。
藤田医科大学では藤田医科大学病院、ばんたね病院、七栗記念病院、岡崎医療センターの4つの病院を擁している。ばんたね病院以外には歯科が併設されており、岡崎医療センターでは主として急性期、七栗記念病院では回復期と終末期、藤田医科大学病院では日本一の病床数を持っていることもあり、急性期を中心に回復期から終末期に至るまでのすべての患者に対応している。ここでは、疾患の急性期にある患者には、周術期にある入院患者の口腔に関する問題の早期発見と口腔由来の合併症の予防を中心として手術前に口腔内の感染源を除くことはもちろん、摂食嚥下リハやNSTなどのチーム医療に参画することで術後も食事を食べやすい口腔機能を目指した管理を行っている。回復期では、リハビリテーションの一環として口腔機能の維持・回復を目標としながらも、病状にあわせた生活期に管理しやすい口腔環境の構築を目指している。終末期では、口腔を由来とした苦痛の除去と食べる楽しみや話す楽しみを最後まで維持できる緩和ケアを行っている。
このように疾患の特性とその病期に合わせた歯科医療を行うためには、それぞれの疾患を理解し、その疾患に応じた生活や予後を見据えた口腔健康管理の目標を立てる必要がある。大学病院は、このような患者の予後を見据えた治療計画を立てるといった研修に最もふさわしい場所と思われるが、そのためには、口腔外科領域のみでなく周術期口腔機能管理に対して専門的に対応できること、それも口腔衛生を中心とした周術期等口腔機能管理ではなく、口腔機能低下に対するまさしく文字通りの周術期等口腔機能管理が出来ることが求められている。
本講演では、歯科部門と口腔外科部門に分かれてそれぞれ専門的な診療を行っている藤田医科大学病院歯科・口腔外科での私たちの活動を通じて、口腔外科だけではない病院歯科というこれからの歯科について考えてみたい。
高齢者は、加齢変化に伴いさまざまな疾患にかかりやすくなる。大学病院は重症度・緊急度の高い疾患をもつ高齢者が入院する場合が多く、歯科疾患においても同様の対応が求められる。このため大学病院の歯科口腔外科には口腔外科疾患に対する中核病院としての役割があり、歯学部を併設しないすべての大学病院が口腔外科、歯科口腔外科を標榜し、日本口腔外科学会の認定施設となっていることもうなずける。一方で、このように多くの高齢者を診療しているにもかかわらず、日本老年歯科医学会の認定研修施設は慶応義塾大学病院、福岡大学病院、琉球大学病院と私たちの藤田医科大学病院の4施設のみである。
近年、これら重症度・緊急度の高い疾患に対する周術期の集約的管理の重要性が認められるようになり、歯科でも周術期口腔機能管理が診療報酬に導入されてから10年の年月が過ぎようとしている。さらに、2018年には周術期等口腔機能管理と改称され、手術症例のみならず放射線・化学療法さらには緩和ケアの患者へと対象も拡大されていくなか、大学病院や市中病院での歯科口腔外科の役割にも変化が生じてきている。
藤田医科大学では藤田医科大学病院、ばんたね病院、七栗記念病院、岡崎医療センターの4つの病院を擁している。ばんたね病院以外には歯科が併設されており、岡崎医療センターでは主として急性期、七栗記念病院では回復期と終末期、藤田医科大学病院では日本一の病床数を持っていることもあり、急性期を中心に回復期から終末期に至るまでのすべての患者に対応している。ここでは、疾患の急性期にある患者には、周術期にある入院患者の口腔に関する問題の早期発見と口腔由来の合併症の予防を中心として手術前に口腔内の感染源を除くことはもちろん、摂食嚥下リハやNSTなどのチーム医療に参画することで術後も食事を食べやすい口腔機能を目指した管理を行っている。回復期では、リハビリテーションの一環として口腔機能の維持・回復を目標としながらも、病状にあわせた生活期に管理しやすい口腔環境の構築を目指している。終末期では、口腔を由来とした苦痛の除去と食べる楽しみや話す楽しみを最後まで維持できる緩和ケアを行っている。
このように疾患の特性とその病期に合わせた歯科医療を行うためには、それぞれの疾患を理解し、その疾患に応じた生活や予後を見据えた口腔健康管理の目標を立てる必要がある。大学病院は、このような患者の予後を見据えた治療計画を立てるといった研修に最もふさわしい場所と思われるが、そのためには、口腔外科領域のみでなく周術期口腔機能管理に対して専門的に対応できること、それも口腔衛生を中心とした周術期等口腔機能管理ではなく、口腔機能低下に対するまさしく文字通りの周術期等口腔機能管理が出来ることが求められている。
本講演では、歯科部門と口腔外科部門に分かれてそれぞれ専門的な診療を行っている藤田医科大学病院歯科・口腔外科での私たちの活動を通じて、口腔外科だけではない病院歯科というこれからの歯科について考えてみたい。