The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

Presentation information

シンポジウム

シンポジウム » [シンポジウム9] 老年歯科で必要な和漢薬の知識

シンポジウム9
老年歯科で必要な和漢薬の知識

Sun. Jun 18, 2023 10:20 AM - 11:20 AM 第3会場 (3階 G304)

座長:大神 浩一郎(東京歯科大学千葉歯科医療センター)

企画:学術用語委員会

[SY9-2] 歯科医師が処方できる漢方薬とは?

○王 宝禮1 (1. 大阪歯科大学歯科医学教育開発センター)

【略歴】
日本東洋医学会代議員・学術教育委員会、日本歯科薬物療法学会理事・漢方薬EBM委員会委員長、日本硬組織生物学会理事、日本口臭学会理事、日本口腔内科学研究会会長等。専門は西洋医学と漢方医学を融合した口腔医療の確立。


【抄録(Abstract)】
今、漢方薬は歯科医療界で注目されています。その理由のひとつには、先生方が日々の臨床で口内が痛い、乾く、違和感がある。排膿が止まらない。口腔疾患に対して西洋薬に効果が認められない。このような場合には漢方薬を選択肢に考える歯科医師が増えたことです。もうひとつは昨年度の歯科医師国家試験に「和漢薬」を問う問題が出題されたからです。今後、歯学部教育では漢方医学教育が充実され、やがて若い歯科医師達は漢方薬を日常で処方していくでしょう。
 
 さて現在、「令和5年度 薬価基準による歯科関係薬剤点数表」には12種類(抜歯後疼痛に立効散、歯周組織炎に排膿散及湯、口腔乾燥症に白虎加人参湯と五苓散、口内炎に黄連湯、茵蔯蒿湯、半夏瀉心湯、顎関節症に葛根湯、芍薬甘草湯、三叉神経痛に桂枝加朮附湯、そして術後の体力低下に補中益気湯、十全大補湯)の漢方薬が掲載されています。今回はこの12種類の漢方薬を中心に臨床上で投薬に有益な情報提供と歯科医師が処方できる漢方薬を考察していきます。 そして、西洋薬で評価できない漢方薬の薬理作用をご紹介致します。

「参考文献」王 宝禮 『口腔漢方処方早わかりガイド』クインテッセンス出版社