[P-50] 食品の主観的物性と咀嚼回数の関連
【目的】
咀嚼嚥下において不十分な食塊形成は誤嚥や窒息のリスクを高める。そのため咀嚼機能が低下している高齢者は安全な食品を選択し摂取する必要があるが、その選択は容易ではない。そこで、我々は市販提供されている咀嚼を要する食品(以下、咀嚼食品とする)の物性評価を多職種で行った。さらに、咀嚼回数の増減と咀嚼後の主観的物性の変化を比較検討したので報告する。
【方法】
被験者は20代から60代の健常成人12名(男性3名、女性9名)であり、職種は医師1名、歯科医師2名、歯科衛生士2名、栄養士6名、言語聴覚士1名であった。試験食材はコンビニエンスストアで購入可能な、いか煎餅、サバの味噌煮、ハンバーグ、薄焼き煎餅、揚げ餅の5種類を用いた。食品物性の官能評価として、かたさ、離水、まとまり、付着性、のどごし、口腔内残留感を5段階の順序スケールを用いて評価した。さらに、各食品の咀嚼回数を計測後、咀嚼回数を2倍に増加させた場合と2分の1に減少させた場合において、同じ官能評価を行った。咀嚼回数の変化よる官能評価の相違をWilcoxon signed rank testを用いて比較し、効果量を算出した。
【結果と考察】
咀嚼回数を2倍に増やしたところ揚げ餅において、まとまり(d=0.67)、付着性(d=0.81)、のどごし(d=0.75)、口腔内残留感(d=0.70)が有意に改善した(p<0.05)。また咀嚼回数を2分の1に減少させた場合も揚げ餅において、まとまり(d=0.67)、付着性(d=0.72)、のどごし(d=0.87)、残留感(d=0.74)が有意に低減した(p<0.05)。ある特定の食品においては咀嚼回数を増やすことにより、嚥下前の食塊の物性が改善し安全な摂食に寄与することが示唆された。
(COI開示:無し)
(朝日大学病院倫理申請委員会 承認番号:20230805)
咀嚼嚥下において不十分な食塊形成は誤嚥や窒息のリスクを高める。そのため咀嚼機能が低下している高齢者は安全な食品を選択し摂取する必要があるが、その選択は容易ではない。そこで、我々は市販提供されている咀嚼を要する食品(以下、咀嚼食品とする)の物性評価を多職種で行った。さらに、咀嚼回数の増減と咀嚼後の主観的物性の変化を比較検討したので報告する。
【方法】
被験者は20代から60代の健常成人12名(男性3名、女性9名)であり、職種は医師1名、歯科医師2名、歯科衛生士2名、栄養士6名、言語聴覚士1名であった。試験食材はコンビニエンスストアで購入可能な、いか煎餅、サバの味噌煮、ハンバーグ、薄焼き煎餅、揚げ餅の5種類を用いた。食品物性の官能評価として、かたさ、離水、まとまり、付着性、のどごし、口腔内残留感を5段階の順序スケールを用いて評価した。さらに、各食品の咀嚼回数を計測後、咀嚼回数を2倍に増加させた場合と2分の1に減少させた場合において、同じ官能評価を行った。咀嚼回数の変化よる官能評価の相違をWilcoxon signed rank testを用いて比較し、効果量を算出した。
【結果と考察】
咀嚼回数を2倍に増やしたところ揚げ餅において、まとまり(d=0.67)、付着性(d=0.81)、のどごし(d=0.75)、口腔内残留感(d=0.70)が有意に改善した(p<0.05)。また咀嚼回数を2分の1に減少させた場合も揚げ餅において、まとまり(d=0.67)、付着性(d=0.72)、のどごし(d=0.87)、残留感(d=0.74)が有意に低減した(p<0.05)。ある特定の食品においては咀嚼回数を増やすことにより、嚥下前の食塊の物性が改善し安全な摂食に寄与することが示唆された。
(COI開示:無し)
(朝日大学病院倫理申請委員会 承認番号:20230805)