一般社団法人日本老年歯科医学会 第35回学術大会

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連携医療・地域医療-2(質疑応答)

2024年6月29日(土) 14:20 〜 15:20 ポスター会場 (大ホールC)

[P-56] 当院における高齢者の歯科受診の実態調査と今後の課題

○岡山 香那1 (1. 医療法人社団喜峰会東海記念病院歯科)

【目的】
 当院は,愛知県春日井市の回復期リハビリテーション病床50床・地域包括ケア病床95床・一般病床44床の189床を有する地域医療の中核病院で,開院より歯科の重要性に着目し,歯科が併設されている病院である。今日,急速な少子高齢化に伴い,今後歯科受診困難者の増加が懸念される。そこで今回,高齢者の歯科受診の実態を調査し,病院歯科の重要性と今後の課題・問題点を把握することを目的に調査をおこなった。
【方法】
 令和4年1月より令和5年12月まで2年間歯科受診された患者(1329名)を対象として,性別,年齢等をもとに後ろ向き調査をおこなった。
【結果と考察】
 患者数は,令和4年674名(平均75.6歳±14.3歳,男性/女性:290/384名),令和5年655名(平均76.5歳±12.8歳,男性/女性:272/383名)。その中でも前期高齢者である65歳から74歳の割合は,令和4年18%(男性/女性:21%/16%),令和5年18%(男性/女性:16%/20%)。後期高齢者である75歳以上は,令和4年64%(男性/女性:64%/64%),令和5年66%(男性/女性:68%/65%)と後期高齢者の受診率が高い傾向であった。その中でも,80歳~89歳の割合が多く最高齢は100歳。性別での差はなかった。外来患者においては,当院他科通院中患者が多い傾向であった。理由は様々ではあるが,病院に歯科が併設していることで容易に受診できる環境が,患者の負担軽減と家族の介護負担軽減となり歯科受診に繋がっているのが大きな要因と考えた。当院の取り組みとしては,整形外科や糖尿内科などとの医科歯科連携の強化,多職種連携での口腔ケア,摂食嚥下評価・嚥下リハビリテーションの強化,口腔機能低下症の診断に基づいた口腔機能管理など病院全体に口腔管理の重要性を周知し、オーラルフレイル予防に力をいれている。今後,外来・入院患者共にかかりつけ歯科医院での受診困難者の受け皿となるため,在宅歯科医療への移行も含めた,ライフステージに対応した歯科医療の提供ができる体制の整備を構築し,地域貢献していく事が重要であり課題であると考える。
(COI 開示:なし)
(倫理審査対象外)