[P-86] 当地区における高齢者歯科訪問診療事業への新型コロナの影響についての報告
【目的】
2019年から流行し始めた新型コロナは歯科分野へも様々な影響を及ぼした。特に免疫機能が衰えている高齢者にとっては生死に関わる問題として捉えられ、徹底した感染対策のもと歯科診療が行われた。反面、新型コロナを警戒するあまり外部との接触を拒み、必要な歯科治療を受診できない状況が生まれ、特に高齢者介護施設や在宅への歯科訪問診療での影響は大きかった。そこで今回,新型コロナが流行し始めた頃から5類相当になるまでの期間で当地区での歯科訪問診療の実態を調査したので報告する.
【方法】
平成30年4月から令和5年10月までの豊島区口腔保健センター「あぜりあ歯科診療所」での歯科訪問診療実績について集計、評価を行った.なお、データ集計に際しては連結不可能匿名化して行った.
【結果】
新型コロナが流行している期間にいくつか感染拡大の波があったが、その波に応じて歯科訪問診療実績も追随して減少している。感染流行時の初期は歯科訪問診療自体を断わられ、高齢者介護施設での歯科訪問診療実績も減少幅が大きいが後半では施設での感染対策が有効に機能したため実績の減少幅は小さくなり、ほぼ流行前の状態で通常通りの実績にまで回復している。一方、在宅歯科訪問診療では実績の回復が遅れ、緩やかである。
【考察】
新型コロナが流行していた初期の頃は高齢者介護施設での感染対策も不十分でいくつかの施設でクラスターも発生していたが経験を積むことで施設側でもノウハウが蓄積されたため施設内で感染者が出てもゾーニングが徹底されるようになり、歯科訪問診療も規模を縮小することで対応し、中断することなく実施できるようになった。一方、在宅では必要以上に感染を恐れるあまり、外部との接触を拒み、診療側がいくら感染対策を徹底しても患者・家族の理解が得られずに中断されているケースが多かった。 高齢者介護施設ではこれまでの実績から歯科診療の重要性を理解しているので、感染対策を双方で徹底することで診療を中断することなく実施できた。しかし、在宅では歯科診療の重要性が認識されておらず、対応が後回しになるケースが多かった。日頃から高齢者への歯科診療の重要性を啓発しておくことが重要であると思われた。
(倫理審査対象外)
(COI開示:なし)
2019年から流行し始めた新型コロナは歯科分野へも様々な影響を及ぼした。特に免疫機能が衰えている高齢者にとっては生死に関わる問題として捉えられ、徹底した感染対策のもと歯科診療が行われた。反面、新型コロナを警戒するあまり外部との接触を拒み、必要な歯科治療を受診できない状況が生まれ、特に高齢者介護施設や在宅への歯科訪問診療での影響は大きかった。そこで今回,新型コロナが流行し始めた頃から5類相当になるまでの期間で当地区での歯科訪問診療の実態を調査したので報告する.
【方法】
平成30年4月から令和5年10月までの豊島区口腔保健センター「あぜりあ歯科診療所」での歯科訪問診療実績について集計、評価を行った.なお、データ集計に際しては連結不可能匿名化して行った.
【結果】
新型コロナが流行している期間にいくつか感染拡大の波があったが、その波に応じて歯科訪問診療実績も追随して減少している。感染流行時の初期は歯科訪問診療自体を断わられ、高齢者介護施設での歯科訪問診療実績も減少幅が大きいが後半では施設での感染対策が有効に機能したため実績の減少幅は小さくなり、ほぼ流行前の状態で通常通りの実績にまで回復している。一方、在宅歯科訪問診療では実績の回復が遅れ、緩やかである。
【考察】
新型コロナが流行していた初期の頃は高齢者介護施設での感染対策も不十分でいくつかの施設でクラスターも発生していたが経験を積むことで施設側でもノウハウが蓄積されたため施設内で感染者が出てもゾーニングが徹底されるようになり、歯科訪問診療も規模を縮小することで対応し、中断することなく実施できるようになった。一方、在宅では必要以上に感染を恐れるあまり、外部との接触を拒み、診療側がいくら感染対策を徹底しても患者・家族の理解が得られずに中断されているケースが多かった。 高齢者介護施設ではこれまでの実績から歯科診療の重要性を理解しているので、感染対策を双方で徹底することで診療を中断することなく実施できた。しかし、在宅では歯科診療の重要性が認識されておらず、対応が後回しになるケースが多かった。日頃から高齢者への歯科診療の重要性を啓発しておくことが重要であると思われた。
(倫理審査対象外)
(COI開示:なし)