[SY12-2] オーラルフレイル対策における歯科衛生士の役割
~自治体・歯科医師会との連携~
【略歴】
1989年(平成元年) 池見札幌歯科衛生士専門学校卒業
1989年(平成元年) 札幌市内歯科医院勤務
1993年(平成5年) 池見札幌歯科衛生士専門学校勤務
1997年(平成9年) 札幌市内歯科医院勤務
2015年(平成27年) 札幌刑務支所医務課勤務(非常勤)
2017年(平成29年) 札幌市内病院歯科口腔外科勤務
(現在に至る)
2003年(平成15年) 社団法人北海道歯科衛生士会専務理事
2011年(平成23年) 一般社団法人北海道歯科衛生士会会長
2023年(令和5年) 一般社団法人北海道歯科衛生士会監事
(現在に至る)
2017年(平成29年) 公益社団法人日本歯科衛生士会常務理事
(現在に至る)
1989年(平成元年) 池見札幌歯科衛生士専門学校卒業
1989年(平成元年) 札幌市内歯科医院勤務
1993年(平成5年) 池見札幌歯科衛生士専門学校勤務
1997年(平成9年) 札幌市内歯科医院勤務
2015年(平成27年) 札幌刑務支所医務課勤務(非常勤)
2017年(平成29年) 札幌市内病院歯科口腔外科勤務
(現在に至る)
2003年(平成15年) 社団法人北海道歯科衛生士会専務理事
2011年(平成23年) 一般社団法人北海道歯科衛生士会会長
2023年(令和5年) 一般社団法人北海道歯科衛生士会監事
(現在に至る)
2017年(平成29年) 公益社団法人日本歯科衛生士会常務理事
(現在に至る)
【抄録(Abstract)】
「いつまでも美味しくお口から食べて幸せに過ごしていただきたい」という信念のもと、歯科関係者はそれぞれの活動の場で活躍している。健康寿命の延伸を目指し様々な取り組みが行われている中、口腔の健康を守ることがそれに寄与するものと歯科衛生士はオーラルフレイル対策に取り組んでいる。今回、北海道札幌市において口腔機能向上専門職派遣事業を展開する際の取り組みや自治体・歯科医師会との連携を振り返り、歯科衛生士が地域で活躍する意味をあらためて考えたい。
札幌市は道内各地から様々な理由で転入してくる高齢者が多いこともあり、長らく住んでいたところから離住することによる高齢者の孤立が予測されることから介護予防事業の必要性が高まり、地域包括支援センターを補完する機関として介護予防センターが53ケ所設置され、住民主体の介護予防活動の支援を行っている。そこで札幌市は介護予防活動に取組む又は関心のある高齢者や介護予防センター職員等に対し地域の専門職による技術支援を開始、北海道歯科衛生士会は歯科衛生士を専門職として派遣する事業を展開することとなった。事業開始に向けて札幌市の介護予防担当者や歯科関係者とこの事業に協力をいただいている札幌歯科医師会の担当者と何度も打合せを重ね、まず初めに北海道歯科衛生士会として口腔機能向上に向けた介護予防プログラムを立案した。プログラムは一方的なものにならないよう、講話の他に口腔の機能を意識できるようなアクティビティを考案し、その効果を地域住民に伝えられるものになるよう検討を重ねた。プログラムを基に歯科衛生士の誰もがこの事業を展開できるよう「介護予防プログラム実施マニュアル」を作成、教室によって差が出ないよう事業開始当初は同じ媒体を使用して展開できるよう準備した。次にこのプログラムを実施する人材を育成、登録するため、札幌支部に所属する当会会員と札幌歯科医師会会員の歯科医院に勤務する歯科衛生士を対象に「派遣登録希望者のための介護予防研修会」を実施、希望する参加者を登録した。登録内容には、勤務先、連絡先の他、活動可能な地区、時間、曜日など詳細な項目を登録していただき、出来るだけ地域の歯科医院から歯科衛生士が参加出来るようにと派遣登録者のリストを作成した。
この介護予防事業が「通いの場」だけで終了するのではなく、歯科診療所で行われている口腔機能低下症、オーラルフレイル対策への支援につなげていくために、診療所勤務の歯科衛生士が「通いの場」で活動を行う意義は大きいと考えている。
コロナ禍を経て様々な課題もある中、現在も事業を展開してくれている歯科衛生士に敬意を表しつつ、オーラルフレイル対策における歯科衛生士の役割を考える機会となれば幸いである。
「いつまでも美味しくお口から食べて幸せに過ごしていただきたい」という信念のもと、歯科関係者はそれぞれの活動の場で活躍している。健康寿命の延伸を目指し様々な取り組みが行われている中、口腔の健康を守ることがそれに寄与するものと歯科衛生士はオーラルフレイル対策に取り組んでいる。今回、北海道札幌市において口腔機能向上専門職派遣事業を展開する際の取り組みや自治体・歯科医師会との連携を振り返り、歯科衛生士が地域で活躍する意味をあらためて考えたい。
札幌市は道内各地から様々な理由で転入してくる高齢者が多いこともあり、長らく住んでいたところから離住することによる高齢者の孤立が予測されることから介護予防事業の必要性が高まり、地域包括支援センターを補完する機関として介護予防センターが53ケ所設置され、住民主体の介護予防活動の支援を行っている。そこで札幌市は介護予防活動に取組む又は関心のある高齢者や介護予防センター職員等に対し地域の専門職による技術支援を開始、北海道歯科衛生士会は歯科衛生士を専門職として派遣する事業を展開することとなった。事業開始に向けて札幌市の介護予防担当者や歯科関係者とこの事業に協力をいただいている札幌歯科医師会の担当者と何度も打合せを重ね、まず初めに北海道歯科衛生士会として口腔機能向上に向けた介護予防プログラムを立案した。プログラムは一方的なものにならないよう、講話の他に口腔の機能を意識できるようなアクティビティを考案し、その効果を地域住民に伝えられるものになるよう検討を重ねた。プログラムを基に歯科衛生士の誰もがこの事業を展開できるよう「介護予防プログラム実施マニュアル」を作成、教室によって差が出ないよう事業開始当初は同じ媒体を使用して展開できるよう準備した。次にこのプログラムを実施する人材を育成、登録するため、札幌支部に所属する当会会員と札幌歯科医師会会員の歯科医院に勤務する歯科衛生士を対象に「派遣登録希望者のための介護予防研修会」を実施、希望する参加者を登録した。登録内容には、勤務先、連絡先の他、活動可能な地区、時間、曜日など詳細な項目を登録していただき、出来るだけ地域の歯科医院から歯科衛生士が参加出来るようにと派遣登録者のリストを作成した。
この介護予防事業が「通いの場」だけで終了するのではなく、歯科診療所で行われている口腔機能低下症、オーラルフレイル対策への支援につなげていくために、診療所勤務の歯科衛生士が「通いの場」で活動を行う意義は大きいと考えている。
コロナ禍を経て様々な課題もある中、現在も事業を展開してくれている歯科衛生士に敬意を表しつつ、オーラルフレイル対策における歯科衛生士の役割を考える機会となれば幸いである。