[P1-28] 首都圏の空き家の空間クラスターと地価
キーワード:空き家, 空間クラスター, 地価
本研究では、首都圏における空き家の空間クラスターを特定し、空き家の分布と地価の関係を分析する。日本では、少子高齢化による人口減少や家族形態の変化により、全国的に空き家が増加傾向にある。高い空き家率は犯罪や火災、景観悪化などのリスクを生み出し、周囲の地価の下落を引き起こす可能性がある。そこで本研究では、首都圏の空き家はどのような地域に集積する傾向があるのか、空き家の増加はどの程度地価に影響を与えるか、という2つの問いを分析する。空間統計手法を用いて分析した結果、空き家は首都圏外縁部の海沿いに集積している状況が明らかになった。市区町村単位のパネルデータを構築し、固定効果モデルを用いて分析した結果、空家率が上昇すると住宅地地価が下落することが分かった。分析結果に基づき、今後の空き家問題に関する政策インプリケーションを述べる。