[P1-34] アジア地域の都市における鉄道・道路と人口分布構造
Keywords:人口分布, ジニ係数, Global Moran's I, アジアの都市
都市の持続可能性のために世界中の多くの都市がコンパクトシティを目指しており、都市のコンパクト性を評価することは重要な課題となっている。しかし、コンパクト性の指標として多く用いられる人口密度だけでは人口の空間分布の把握が難しい。本研究では、人口増加の著しいアジア地域の都市を対象に、人口分布の不均等性の指標としてジニ係数、集積性の指標としてモラン統計量を用いてコンパクト性を評価し、人口規模や交通インフラなどとの関係を明らかにした。まず、東アジアの都市はジニ係数が大きく、モラン統計量は小さい一方、西アジアの都市ではモラン統計量が大きいという地域間の違いが確認できた。次に、人口密度が高いほどジニ係数・モラン統計量も高くなる傾向が観察された。さらに、不均等性に対して鉄道網と高速道路網がともに正の関係を示す一方で、集積性については、鉄道網は正の関係を、高速道路網は負の関係を示すことが明らかとなった。