[P2-20] 交通事故における高齢歩行者事故とその周辺環境との関係についての分析
Keywords:交通事故, 人体車両, 高齢者, 車道幅員, 横断歩道
2019~2020年における日本での交通事故死者数の約40%は歩行者であり、死亡した歩行者の約70%を65歳以上の高齢者が占める。我が国では今後高齢者数が増加することから、高齢歩行者が被害に合う事故への予防対策が重要な課題である。そこで高齢者の歩行者事故と死亡者数低減に向け、警察庁が公開している2019~2020年に起こった交通事故の位置データを含むオープンデータを利用し、高齢歩行者に致命的な被害を与える交通事故を誘発する、危険な周辺環境を検討した。具体的には、交通事故が多発する東京都区内に着目し、高齢歩行者の死亡事故と関連する周辺環境候補を仮説的に導出し、オープンデータでその関係を検証した。その結果、高齢歩行者の死亡事故は、幅員が狭い単路で事故が多発していることに加えて、横断歩道間の距離が長いと道路にて起きやすい傾向にあることを見出した。これらの結果を踏まえて、高齢歩行者の交通事故の特性について考察する。