第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

指定ポスター

指定ポスター2
My Proud 我が施設のER紹介

2018年7月1日(日) 14:30 〜 15:30 ポスター会場 (1階 展示ホール)

座長:苑田 裕樹(日本赤十字九州国際看護大学)

[指定P2-5] My proud 我が施設のER紹介 -A new challenge-

斉藤 徳子 (日本医科大学付属病院 高度救命救急センター)

日本医科大学付属病院高度救命救急センターは、1977年に救急医療センターとして開設し、1993年には全国救命センターの“The Best of Bests”として第1号の高度救命救急センターとして認定を受けた。
当施設は、東京都第3次救急医療施設として重症疾患患者を年間1600~1800人受け入れている。初期対応から、ICU管理までを、医師(約40名)、看護師(約100名)が24時間体制で実践している。年間入室患者の内訳は、多発外傷などの重症外傷が約20%を占め、脳血管障害、広範囲熱傷、急性中毒、急性腹症、各種臓器不全および心肺停止患者が50%を構成している。
2018年1月1日のグランドオープンに先駆け、2017年10月30日より“新・高度救命救急センター”が始動した。救命救急科(40床)、心臓血管集中治療科(12床)、脳卒中集中治療科(8床)と3科の診療科が統合され、国内でも最大規模の60床で運営している。初療室は3床となり、専用手術室はハイブリット化され、屋上にはヘリポートを設置して、さらなる重症症例が集約されている。そのため、新体制前には、他職種合同で患者搬送のシミュレーションを実施し、問題点を抽出するなど安全に患者搬送ができるように取り組んだ。また、診療体制が違う3科が統合されるため、何度も合同カンファレンスを行い、お互いが歩みより情報共有を図ることで、同じ目標に向かって動き始めている。結果、救命センターから心臓血管集中治療科へのコンサルテーションの件数が増えるなど、患者への治療がスムーズに行われるようになった。また、看護師のローテーションも始まりさらなる知識の修得が期待されている。さらに、初療室が3床になってから、3件同時に入室することもあり、初療室での実践力やマネージメント力が求められている。そのため、マニュアルを作成し、導入期間中は毎日オリエンテーションを実施するなど、患者の安全と安心を考え日々実践している。
設備面に関しては、救急搬送出入り口やCT室、アンギオ室、手術室への直通エレベーターなどが救命センターを中心に集約され、アクセスしやすい環境が整っている。一方、初療室は広いが収納場所が少なくなったため、物品の整備に苦労した。いかに、導線に無駄がなく、迅速に初期対応が行えるかを考え、初期対応と収納が同時に行えるように物品整備を工夫した。例えば、Damage control surgeryや穿頭術、ECMO挿入などの手術・処置が迅速に行えるよう、各物品カートを作成し、同時に収納もできるようにした。これらは、初療室のみならずICUでも使用され、手術実施までの時間の短縮に繋がっている。
 新体制となり5ヶ月が経過したが、まだまだ改善の余地があり、これからも緻密で繊細な治療・看護を目指しチーム一丸となって“A new challenge”を合い言葉に邁進している。