第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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一般演題(口演)

一般演題(口演) O6群
看護教育

Sun. Jul 1, 2018 10:15 AM - 11:15 AM 第7会場 (2階 蓬莱)

座長:平尾 明美(神戸大学医学部附属病院), 座長:河合 正成(敦賀市立看護大学 看護学部看護学科)

[O6-6] 看護実践能力の維持と向上~急変トレーニング導入の効果~

清水 祐, 飯田 美沙 (地方独立行政法人長野市民病院)

【目的】 集中治療室における急変トレーニング導入の効果を明らかにする【方法】期間:平成28年2月~平成30年1月対象:ICU・HCUCCU看護師69名 プログラム概要:トレーニング達成度表に基づき経験年数別目標を設定する。蘇生に必要なスキル、チーム力を構成する要素であるノンテクニカルスキルについての事前学習を参加条件とした。トレーニングは、シナリオ実施グループと観察グループに分かれて実施した。データの収集・分析:カークパトリックの4段階評価モデル「level2学習プログラムで何を学んだか」について(1)トレーニングの理解度・達成度を質問1~5に5段階での自己評価(2)設問1~7のpostテスト正誤率について数値化、X2検定で統計分析を行った。「level3どのように行動変容したか」について、トレーニングの3ヶ月後質問紙のノンテクニカルスキル項目について、トレーニング参加回数・看護師経験・リーダー経験においてX2検定で統計分析を行った。また、各項目でピアソン積率相関分析において相関関係をみた。対象者に研究の目的を説明、質問紙は無記名で行ない個人が特定されないように配慮する。得られたデータは本研究以外に使用しないことを明示する。当院倫理委員会の審査を受け承認を得た。【結果】質問4以外で「5理解できた」と回答した人は、トレーニング1回目参加者より2回目では平均10%上昇した。 トレーニング回数と平均正解率について、設問1~5においてX2検定で有意差が認められた(図)。ノンテクニカルスキル項目について、トレーニング回数1回目参加者より2回目で3%上昇した。リーダー経験年数別では、4年目以上を「あり」としたt検定ではp<0.05、X2検定で有意差は認められなかった。看護師経験年数別では、1~3年より4年以上では20%上回り、X2検定で有意差が認められた。経験年数とリーダー経験年数でr絶対値0.5で有力な相関が認められた。【考察】トレーニングを重ねることで理解度・postテストの正解率が上昇していることから、本プログラム概要に沿って定期的に実施し回数を重ねることで集中治療室看護師全体の実践能力の維持に効果があった。ノンテクニカルスキルについてリーダー経験と一定の経験年数以上の看護師で有意差が認められていることから、患者の状態が変化していくトレーニングで経験年数別の目標に基づいてチームワークを意識して行うことで看護実践能力の向上に寄与すると考えられる。

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