[P2-1] 看護基礎教育におけるクリティカルケア看護の導入(その1)‐看護学生のクリティカルケアへの関心‐
【目的】
近年、医療の発展・高度化に伴い、看護者らは様々な知識を統合して看護を提供することが求められる。看護学教育の在り方に関する検討会報告の中で、看護学生らが卒業時到達度の特定の健康問題を持つ人への実践能力として、「健康の危機的状況にある人への援助」が必要であるとされ、看護基礎教育の中に組み込まれている。看護系A大学では、一般目標「生命の危機的な状況にある患者やその家族へ看護援助を行うために、クリティカルケア看護における基礎的な知識と援助方法を理解する。」を目的に、4年次前期にクリティカルケア看護を開講している。構成は、クリティカル領域を専門とする教員および実践の場で勤務している集中ケア認定看護師、救急看護認定看護師、急性・重症患者看護専門看護師などによる90分8回の授業が行われる。その後、看護学生らは自身の関心のあるテーマを考え、レポートにまとめ提出を行っている。
そこで本研究では、レポートに挙げたテーマを分析し、学生の関心について明らかにすることを目的とする。
【方法】
対象は、4年次クリティカルケア看護を選択した学生87名とした。分析方法は、提出されたレポートのテーマをテキストと位置づけ、テキストデータの中から言葉同士の関係性や規則を見つける手法であるテキストマイニング分析を行った。NTT数理システムテキストマニング6.03であり、単語頻度解析およびことばネットワークの手法で分析した。本研究は、研究者が所属するB倫理委員会の承認を得て実施した。
【結果】
分析をしたテキストの基本情報は、総文章数75、平均文章長(文字数)21.9、延べ単語数326語、単語種別数123であった。最初に、テキスト中で、どのような単語が何回出現するかカウントすることができる単語頻度解析を行った。設定は、抽出頻出を名詞・動詞・形容詞・形容動詞とした。その結果として、<家族>37回、<看護援助>29回、患者<28回>、<ICU>22回、<クリティカルケア看護>14回、<急性期>10回の順であった。次に、テーマで用いられた言葉の共起関係を確認するために、ことばネットワークを行った。設定(共起ルール)は、抽出品詞を話題一般(名詞‐形容詞・形容動詞・動詞・サ変名詞)とした。その結果として、<家族>と<患者><看護援助><手術><迎える><終末期>など、<看護援助>と<手術><迎える><終末期>など、<患者>と<状態><手術><関わり>に複雑な共起関係が見られた。また、その他に<ICU>と<終末期看護>、<看護師>と<役割>に共起関係が見られた。
【考察】
単語頻度解析およびことばネットワークの分析より、看護学生らは、<家族><看護援助><患者>に関心を持っていることが明らかとなった。本調査結果では、看護援助の主な対象である<患者>よりさらに患者の<家族>に対する強い関心を持っていることが推察される。これは講義を通して、クリティカルケア看護の対象が<患者>だけにとどまらず、患者の<家族>も対象として捉えることを実感できた可能性が考えられる。また、<急性期>にある<患者>だけではなく、<終末期>にある<患者>や<終末期看護>に関心を持っていることが明らかになった。
近年、医療の発展・高度化に伴い、看護者らは様々な知識を統合して看護を提供することが求められる。看護学教育の在り方に関する検討会報告の中で、看護学生らが卒業時到達度の特定の健康問題を持つ人への実践能力として、「健康の危機的状況にある人への援助」が必要であるとされ、看護基礎教育の中に組み込まれている。看護系A大学では、一般目標「生命の危機的な状況にある患者やその家族へ看護援助を行うために、クリティカルケア看護における基礎的な知識と援助方法を理解する。」を目的に、4年次前期にクリティカルケア看護を開講している。構成は、クリティカル領域を専門とする教員および実践の場で勤務している集中ケア認定看護師、救急看護認定看護師、急性・重症患者看護専門看護師などによる90分8回の授業が行われる。その後、看護学生らは自身の関心のあるテーマを考え、レポートにまとめ提出を行っている。
そこで本研究では、レポートに挙げたテーマを分析し、学生の関心について明らかにすることを目的とする。
【方法】
対象は、4年次クリティカルケア看護を選択した学生87名とした。分析方法は、提出されたレポートのテーマをテキストと位置づけ、テキストデータの中から言葉同士の関係性や規則を見つける手法であるテキストマイニング分析を行った。NTT数理システムテキストマニング6.03であり、単語頻度解析およびことばネットワークの手法で分析した。本研究は、研究者が所属するB倫理委員会の承認を得て実施した。
【結果】
分析をしたテキストの基本情報は、総文章数75、平均文章長(文字数)21.9、延べ単語数326語、単語種別数123であった。最初に、テキスト中で、どのような単語が何回出現するかカウントすることができる単語頻度解析を行った。設定は、抽出頻出を名詞・動詞・形容詞・形容動詞とした。その結果として、<家族>37回、<看護援助>29回、患者<28回>、<ICU>22回、<クリティカルケア看護>14回、<急性期>10回の順であった。次に、テーマで用いられた言葉の共起関係を確認するために、ことばネットワークを行った。設定(共起ルール)は、抽出品詞を話題一般(名詞‐形容詞・形容動詞・動詞・サ変名詞)とした。その結果として、<家族>と<患者><看護援助><手術><迎える><終末期>など、<看護援助>と<手術><迎える><終末期>など、<患者>と<状態><手術><関わり>に複雑な共起関係が見られた。また、その他に<ICU>と<終末期看護>、<看護師>と<役割>に共起関係が見られた。
【考察】
単語頻度解析およびことばネットワークの分析より、看護学生らは、<家族><看護援助><患者>に関心を持っていることが明らかとなった。本調査結果では、看護援助の主な対象である<患者>よりさらに患者の<家族>に対する強い関心を持っていることが推察される。これは講義を通して、クリティカルケア看護の対象が<患者>だけにとどまらず、患者の<家族>も対象として捉えることを実感できた可能性が考えられる。また、<急性期>にある<患者>だけではなく、<終末期>にある<患者>や<終末期看護>に関心を持っていることが明らかになった。