[S2-2] 看護職の患者安全教育について
私は日本の患者安全の創成期のころからさまざまな関わりをもってきた。初期の頃は,医療者が気をつけて慎重に,注意すれば事故は防げるという幻想を持っていた。しかし,米国からの報告書は衝撃であった。人が間違える生き物であることは,人がどんな努力をしても間違えることを意味している。危険に気付けるように人間の認知機能の研究者と協働してさまざまな取り組みが現場では実践されている。5S運動,指差し呼称,時間切迫はミスが発生する頻度が高くなることも周知の事実である。
人の力で安全を確保できないのであれば,システムで安全を確保しようとシステムアプローチも多くの施設で実践された。工程分析をしたり,間違っても絶対つながらない接続サイズの工夫など,医療関連企業,製薬企業の努力は着実に成果をだしている。しかしである,患者安全はまだまだ到達できていない目標である。
それなら,チームの力で安全を確保しようと,チームステップスはWHOも推奨して多くの施設でトレーニングが行われている。しかし。この実践は日本の医療政策の多職種協働,地域包括ケア構想や医学系大学教育のIPE,IPWにもつながって患者安全の領域が広がっていると感じている。
翻って,看護基礎教育における患者安全教育は基礎看護分野の中でおこなわれているので,適正な教育者の人材は乏しく,まだまだ課題は山積みである。本シンポジウムでは多様な側面から患者安全教育が議論できたら幸いである。
人の力で安全を確保できないのであれば,システムで安全を確保しようとシステムアプローチも多くの施設で実践された。工程分析をしたり,間違っても絶対つながらない接続サイズの工夫など,医療関連企業,製薬企業の努力は着実に成果をだしている。しかしである,患者安全はまだまだ到達できていない目標である。
それなら,チームの力で安全を確保しようと,チームステップスはWHOも推奨して多くの施設でトレーニングが行われている。しかし。この実践は日本の医療政策の多職種協働,地域包括ケア構想や医学系大学教育のIPE,IPWにもつながって患者安全の領域が広がっていると感じている。
翻って,看護基礎教育における患者安全教育は基礎看護分野の中でおこなわれているので,適正な教育者の人材は乏しく,まだまだ課題は山積みである。本シンポジウムでは多様な側面から患者安全教育が議論できたら幸いである。