[S2-4] ICTによる患者安全教育の現状と可能性
クリティカルケアの領域では、使用される薬剤、ME機器は多種多様であり、これらを管理する上では、多くの知識や技術が必要とされる。患者は緊急度、重症度が高く、患者自身に安全に関する協力を求めることは難しい状況である。また、気管挿管、循環作動薬、体外循環のカテーテル、栄養チューブなど患者に多くのチューブ、ラインが存在し、事故(自己)抜去、各種機器のトラブル、感染の危険性など、医療事故が起こるリスクが多く潜んでいる状況下にある。 Ingeborg D Welters(2011)らのICUにおけるインシデント報告の分析において、上位を占めた項目は、薬剤、機器(ライン、チューブの事故含む)、および臨床実践(褥瘡、検体の取り扱い、感染管理、気道管理に関連する事象)に関するものであった。
安全な医療提供を行うために、院内全体の活動として、自ら進んでインシデント報告ができる環境づくりといった、安全文化の構築や看護実践における安全確保の具体策として、患者のフルネームでの自己紹介による患者の確認、リストバンドの活用、指差呼称、6Rの徹底、転倒、転落のアセスメントシートの使用など患者誤認防止、誤薬の防止、転倒・転落の防止など行なっている。医療チームによる安全確保の取り組みとして、5S活動、KYTなどの取り組みがある。また、研修体制の整備も重要であり、国は全職員を対象に、年に2回程度、医療の安全を確保するための研修を求めている。
薬剤のインシデントに対する教育効果の報告では、パワーポイントを使った学習(Lu et al. 2013)、双方向性のあるCD-ROMプログラム学習(Schneider et al.2006)、オンライン学習(Sherriff et al.2012)、ブレンディッド学習(Sung et al.2008)、シミュレーション教育(Tsai et al.2008)などが行われており、教育介入前後の知的評価の比較において有効であったと報告されている。しかし、これらは授業内容や授業設計について、また、臨床での効果について明確にされていなかった。
そこで、今回、A病院のクリティカルケア領域のインシデント、アクシデントの報告の分析、教育の現状を調査し授業設計を行い、臨床での効果、学習の効率性を検討する。その上で、ICT(Information and Communication Technology)教育の設計を行い、また、インシデント、アクシデント報告システムの一環としてのICT教育の導入についても検討し、ICTによる教育の可能性について報告する。
安全な医療提供を行うために、院内全体の活動として、自ら進んでインシデント報告ができる環境づくりといった、安全文化の構築や看護実践における安全確保の具体策として、患者のフルネームでの自己紹介による患者の確認、リストバンドの活用、指差呼称、6Rの徹底、転倒、転落のアセスメントシートの使用など患者誤認防止、誤薬の防止、転倒・転落の防止など行なっている。医療チームによる安全確保の取り組みとして、5S活動、KYTなどの取り組みがある。また、研修体制の整備も重要であり、国は全職員を対象に、年に2回程度、医療の安全を確保するための研修を求めている。
薬剤のインシデントに対する教育効果の報告では、パワーポイントを使った学習(Lu et al. 2013)、双方向性のあるCD-ROMプログラム学習(Schneider et al.2006)、オンライン学習(Sherriff et al.2012)、ブレンディッド学習(Sung et al.2008)、シミュレーション教育(Tsai et al.2008)などが行われており、教育介入前後の知的評価の比較において有効であったと報告されている。しかし、これらは授業内容や授業設計について、また、臨床での効果について明確にされていなかった。
そこで、今回、A病院のクリティカルケア領域のインシデント、アクシデントの報告の分析、教育の現状を調査し授業設計を行い、臨床での効果、学習の効率性を検討する。その上で、ICT(Information and Communication Technology)教育の設計を行い、また、インシデント、アクシデント報告システムの一環としてのICT教育の導入についても検討し、ICTによる教育の可能性について報告する。