The 15th Annual Meeting of Japan Academy of Critical Care Nursing

Presentation information

Oral presentation

[O5] 鎮痛・鎮静・せん妄1

Sat. Jun 15, 2019 3:40 PM - 4:40 PM 第3会場 (3F 小会議室31)

座長:神田 直樹(北海道医療大学)

3:40 PM - 3:50 PM

[O5-1] O5-1

○藤本 昌吾1、池辺  諒1 (1. 大阪母子医療センター 看護部 ICU)

Keywords:鎮静、せん妄、鎮痛

【背景】
 当センター小児集中治療室(Pediatric Intensive Care Unit:PICU)ではこれまで鎮静の評価のために、独自で改訂した改訂版State Behavioral Scale:SBSを使用していた。しかし、原文版と比較しても信頼性、妥当性ともに低いと考えられる。そのため2018年2月に原文版SBSについてICU看護スタッフへの周知を行った。また、当センターではこれまで痛みについての評価スケールは使用していなかったため2018年2月に勉強会を行い、自己申告が可能な患者に対してはNumeric Rating Scale:NRSもしくは、フェイススケールを導入、自己申告が不可能な患者に対してはFace,Legs,Activity,Cry,Consoabilityスケール:FLACCを導入した。せん妄については、Cornell Assessment of Pediatric Delirium:CAPDを活用することで、せん妄に対する知識向上を目的とした。2018年2月にせん妄についての勉強会を行い、スケールを導入した。 
 しかし、このような背景の中では評価とカルテ記載率が不十分であると考え、当センターの看護師に向けて、再度PADケアに対する認識の向上を目的とした勉強会を主催した。看護師主導の講義形式の勉強会を行った前後での、鎮静スケール(SBS)、痛みスケール(NRS・フェイススケール・FLACC)、せん妄スケール(CAPD)のカルテ記載率を調査することとする。
【仮説】
 看護師主導の勉強会で、鎮痛・鎮静・せん妄に対するカルテ記載率が改善する。
【倫理的配慮】院内倫理委員会の承認を得た。
【方法】
 本研究は単施設前後比較研究である。2018年5月にPICU看護師を対象としたPICU看護師主導の勉強会(講義形式)を行った。対照群は2018年4月、介入群は2018年6月に入室した患者の各項目カルテ記載率である。SBS、NRS・フェイススケール・FLACC、CAPDの記載率を調査し、EZR version 1.37を用いて統計解析を行った。
【結果】
 対照群と介入群との比較を表1に示す。CAPDは統計学的に有意に増加していたが、SBSに関しては統計学的に有意に減少していた。NRS・フェイススケール・FLACCは、前後ともに1例の記載があった。
【考察】
 SBSに関しては減少したがCAPDは上昇した。FLACC及びNRS、フェイススケールは、前後ともに1例のみのため統計学的変化を述べるまでも達していなかった。今後は、カルテ記載率の向上を行うためにも、鎮痛・鎮静・せん妄に対するケアの質改善を目指した、包括的な方略を検討する必要がある。
【結論】
 小児集中治療室における痛み、不穏、せん妄評価のカルテ記載率は、SBSに関しては減少したがCAPDは上昇した。FLACC及びNRS、フェイススケールは、前後ともに1例のみのだった。
O5-1.jpg