3:40 PM - 3:47 PM
[P2-1] P2-1
Keywords:看護過程、周術期、演習、評価、成人看護学急性期
【研究目的】
成人看護学急性期領域における周術期の看護過程演習の教育効果について評価し,学生の理解と知識の定着に向けた授業改善を検討する目的で研究を行った.
【研究方法】
1)対象者:成人看護学急性期領域で看護過程演習を受けたA看護大学生.
2)調査内容:ゴードンの機能的健康パターンを用いて「周術期の大腸がん患者」の事例にて看護過程の展開を演習で実施した.演習を評価するため,特に重要とされる4パターン「健康知覚‐健康管理・栄養‐代謝・排泄・活動‐運動」に対し,8項目の評価表(リッカート1-5点) を作成し,合計40点満点とした.(1)演習にて記述したアセスメント内容を学生が自己評価し,同様に教員も評価を実施した.(2)知識の定着を評価するために,定期試験では,「周術期の胃がん患者」のミニ事例を用い,4パターンのアセスメント記述を出題し,演習と同様の評価表を用いて教員が採点し評価した.
3)分析方法:単純記述統計を行った.
4)倫理的配慮:A大学倫理審査の承認を得た後、学生に口頭と紙面で説明して実施した.
【結果】
調査対象者は76名であった.(1)演習の学生評価の平均点は27.09点,教員評価の平均点は24.25点で,学生の自己評価の方が高い傾向にあった.(2)試験評価の平均点は24.25点であり,演習の教員評価と同点数であった.(3)アセスメント項目ごとでは,試験評価において平均点が最も低いのは,「健康知覚①」であり,次に「活動⑧」であり,「栄養④」「排泄⑥」についても3点以下であった.
【考察】
演習評価と試験評価における教員の点数に差がなかったことから,演習において一定の知識とアセスメント能力の習得ができていると考える.アセスメント項目ごとでは,「健康知覚①」は,試験評価だけでなく演習評価ともに低く,病期と治療との関係の理解が弱いと考える.また,「栄養④」の試験評価が低いのは,解答内容から創感染と縫合不全の区別が理解できていないことが考えられる.「離床⑧」では,学生の自己評価は高いが,試験評価の点数が低いのは,離床の阻害要因は一つではなく複数関連していることの理解が弱いと考える.本研究から,周術期の看護過程において学生の理解の弱い部分が明らかとなり,今後それらに関して演習の教育指導方法の改善と強化が必要性であることが示唆された.
成人看護学急性期領域における周術期の看護過程演習の教育効果について評価し,学生の理解と知識の定着に向けた授業改善を検討する目的で研究を行った.
【研究方法】
1)対象者:成人看護学急性期領域で看護過程演習を受けたA看護大学生.
2)調査内容:ゴードンの機能的健康パターンを用いて「周術期の大腸がん患者」の事例にて看護過程の展開を演習で実施した.演習を評価するため,特に重要とされる4パターン「健康知覚‐健康管理・栄養‐代謝・排泄・活動‐運動」に対し,8項目の評価表(リッカート1-5点) を作成し,合計40点満点とした.(1)演習にて記述したアセスメント内容を学生が自己評価し,同様に教員も評価を実施した.(2)知識の定着を評価するために,定期試験では,「周術期の胃がん患者」のミニ事例を用い,4パターンのアセスメント記述を出題し,演習と同様の評価表を用いて教員が採点し評価した.
3)分析方法:単純記述統計を行った.
4)倫理的配慮:A大学倫理審査の承認を得た後、学生に口頭と紙面で説明して実施した.
【結果】
調査対象者は76名であった.(1)演習の学生評価の平均点は27.09点,教員評価の平均点は24.25点で,学生の自己評価の方が高い傾向にあった.(2)試験評価の平均点は24.25点であり,演習の教員評価と同点数であった.(3)アセスメント項目ごとでは,試験評価において平均点が最も低いのは,「健康知覚①」であり,次に「活動⑧」であり,「栄養④」「排泄⑥」についても3点以下であった.
【考察】
演習評価と試験評価における教員の点数に差がなかったことから,演習において一定の知識とアセスメント能力の習得ができていると考える.アセスメント項目ごとでは,「健康知覚①」は,試験評価だけでなく演習評価ともに低く,病期と治療との関係の理解が弱いと考える.また,「栄養④」の試験評価が低いのは,解答内容から創感染と縫合不全の区別が理解できていないことが考えられる.「離床⑧」では,学生の自己評価は高いが,試験評価の点数が低いのは,離床の阻害要因は一つではなく複数関連していることの理解が弱いと考える.本研究から,周術期の看護過程において学生の理解の弱い部分が明らかとなり,今後それらに関して演習の教育指導方法の改善と強化が必要性であることが示唆された.