The 15th Annual Meeting of Japan Academy of Critical Care Nursing

Presentation information

Oral presentation

[P4] せん妄ケア・リハビリテーション

Sun. Jun 16, 2019 11:10 AM - 11:50 AM 第7会場 (B1F コンベンションホール)

座長:月俣 夏織(済生会八幡総合病院)

11:31 AM - 11:38 AM

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○犬童 隆太1、城丸 瑞恵2 (1. 札幌医科大学大学院保健医療学研究科、2. 札幌医科大学保健医療学部看護学科)

Keywords:早期離床、研究動向

【目的】
 本研究は、早期離床に関する研究について検討し、早期離床の取り組みに関する研究動向と今後の課題について示唆を得ることを目的とした。
【方法】
 文献の抽出には医学中央雑誌Web Ver.5を使用し、検索期間は1999年~2018年、検索キーワードは、「早期離床」&「手術後」として看護文献・原著文献から抽出した。
 その結果、123件が抽出され、重複文献、内容が解説・事例である文献を除外し、64文献を分析対象とした。研究目的・内容から、「早期離床に関する取り組み(18件)」、「早期離床による合併症(2件)」、「早期離床に関する認識(12件)」、「早期離床に関する基礎資料(32件)」に分類できた。本研究では、早期離床への具体的な実践に関する研究動向について示唆を得ることを目的としているため、「早期離床に関する取り組み」に関する研究18文献を最終的な分析対象とした。
【倫理的配慮】
 文献研究として著作権に留意した。また、分析の過程では共同研究者との検討を行い妥当性の確保に努めた。
【結果】
 研究目的は、「マニュアル・基準作成、基準見直しに関する取り組み(以下マニュアル・基準)」の12件と、「その他」の6件に大別され、「マニュアル・基準」は、12件中11件が量的研究であり、主に自施設内で独自に作成したマニュアル・基準の効果を検証する研究が行われていた。「その他」では、6件すべてが量的研究であり、足浴などの快刺激を与えること、段階的離床の実施が行われ、その効果を検証する研究であった。また、研究全体では、量的研究のうち記述統計のみの研究が11件、記述統計に加え推測統計を行っている研究が6件であった。
【考察】
 早期離床の取り組みに関する研究では、マニュアルや基準作成の効果を検証する研究が行われていた。これは、早期離床の必要性の認識が高まる一方で、各病棟の疾患が多様化し、それに応じたリハビリテーションを目標にしていることが背景にあると考えられる。
 量的研究において、用いられた分析方法は、自施設に関する記述統計のみの研究が多くみられた。記述統計は自施設の取り組みを評価できる半面、一般化が難しい。今後は研究成果の一般化が可能な標本サイズを持つ研究の増加が期待される。
 手術後の早期離床では、心臓血管外科や消化器外科など疾患が多岐にわたり、手技の統一が困難であることが考えられる。そのため、各疾患共通で活用できる観察項目やリハビリテーション基準の導入と、その研究結果の共有が必要と考えられる。
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