第16回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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一般演題(口演)

[O1] 医療安全・感染管理

[O1-1] 経口気管内挿管チューブを2面固定法で固定したときの看護ケアと挿管チューブのズレとの関係

○藤居 亜喜文1、宮澤 拓也1 (1. 長浜赤十字病院看護部)

Keywords:経口気管内挿管、固定法 、チューブのズレ

【研究目的】

 経口気管内挿管チューブ(以下挿管チューブとする)の固定法は、施設によって違いがあるが、患者の状況に応じて4面固定法、3面固定法、2面固定法が推奨されている。しかし、4面固定法では口腔内の観察やケアが行いにくいため、挿管患者のチューブ固定を口腔内の観察やケアが行いやすい2面固定法に変更しケアを行った。本研究では、挿管患者のチューブ固定の2面固定法において、看護ケアが挿管チューブのズレに影響を及ぼさないかの検証を行った。

【研究方法】

1.研究デザイン:記述統計

2.用語の定義:挿管チューブのズレは、気管内チューブの口角または門歯の固定位置から鍔までの長さの移動及び、気管分岐部から挿管チューブ先端までの長さの移動とした。

3.データ収集期間:平成30年12月より平成令和元年9月

4.対象者:ICUで2日以上の経口挿管が必要で同意を得た35名の患者とした。

5.データ収集方法:1)挿管初日と2日目の胸部レントゲン写真の気管分岐部から挿管チューブ先端までの距離を計測する。2)体位変換、清拭、口腔ケアの前後で、挿管チューブの長さ(口角または門歯の固定位置からコネクター鍔まで)を距離計測スケールで計測し記録する。

6.データ分析方法:①鎮静薬の有無別による挿管チューブ先端から気管分岐部までの長さ、②RASSの値による挿管チューブ先端から気管分岐部までの長さ、③挿管チューブのテープ交換(以下テープ交換とする)からの時間毎での体位変換、口腔ケア、清拭の各看護ケア前後における挿管チューブの固定位置(口角または門歯)からコネクター鍔までの長さの比較を行った。

7.倫理的配慮:本研究は長浜赤十字病院看護部倫理委員会及び長浜赤十字病院医療倫理審査会の審査を受け承認を得て実施した。

8.利益相反 なし

【結果】

対象者の内、鎮静薬を使用している群は31人で、挿管初日と2日目の胸部レントゲン写真の気管分岐部から挿管チューブ先端までの距離差は5.4±5.08(mean±S.D)㎜で、鎮静薬を使用して無い群は4人で5.7±4.08㎜で両群に差はなかった。また、RASSの値で比較すると、RASSが-3~-5の群は20人で、4.9±4.08㎜、RASSが-2~0の群は15人で6.1±5.41㎜であり、RASSのレベルでみた両群の差はなかった。

看護ケア別に前後のズレの幅をみると、体位変換前後におけるズレの幅は、テープ交換後12時間までの3時間毎のズレでは0.14~0.72㎜、テープ交換後12時間以降の3時間毎のズレは0~0.97㎜であった。口腔ケア前後におけるズレの幅は0~6㎜であった。清拭前後におけるズレの幅は0~5㎜であった。

【考察】

挿管チューブの固定方法においては、4面固定法が最も固定力が強いとされている。しかし、今回の研究では、鎮静剤の有無別、RASSの値別では、挿管患者のチューブ固定のズレに差はなかった。また、体位変換、口腔ケア、清拭の看護ケアの前後においても2面固定法でのズレは0~6㎜の間で、安全性が維持できていると考えられた。

本研究は滋賀県立大学人間看護学部地域交流看護実践研究センターの共同研究助成を受けて行った。