第16回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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一般演題(口演)

[O1] 医療安全・感染管理

[O1-2] Rapid Response Systemを起動する看護師の認識と行動に関する研究

○濱野 智恵子1,3、原口 昌宏2、松本 和史2 (1. 独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター、2. 東京医療保健大学、3. 東京医療保健大学大学院 看護学研究科高度実践看護コース)

Keywords:Rapid Response System、看護師の認識と行動

【目的】患者の異常の気づきからRRSを起動するまでの過程において、看護師がどのように認識して行動するのかを明らかにする。

【方法】RRS起動に関わる看護師7名に半構造化面接を実施した。研究参加者が患者の異常に気づき、RRSを起動するまでの一連の状況をどのように認識し行動したか等、語った内容を抜き出し、相違性や類似性を比較検討した上で、[サブカテゴリー]、【カテゴリー】を抽出した。また一連の流れをプロセスとして捉え、【カテゴリー】間の関連性を検討し図式化した。本研究は所属機関の研究倫理委員会の承認を得た。研究参加者には研究説明書を用いて説明し、不利益を被ることは一切ないことを説明し書面にて同意を得た。

【結果】6カテゴリーとそれらを構成する22サブカテゴリーで構成されていた。患者の異常を発見した看護師は、[患者の状態が悪化したことへの不安]や[自分の手には負えない恐怖]を感じるなどの懸念から【重篤化する患者の状態に対することへの危惧】に直面していた。そしてRRSの起動前には、ほとんどの看護師が目の前の状況を早期解決するために、先輩や同期などの【看護師間での相談】を行っていた。その後、まずは【主治医への報告・相談】を行うものの、【RRS起動への躊躇】をしている状態となっていた。これらの3つのカテゴリーは一方向の認識・行動ではなく循環していた。その根底に【RRSを取り囲む病院システムと周囲環境】のさまざまな条件があることでRRS起動への決断を前進あるいは後退させていた。しかし、最終的には【RRS起動への確信と判断】に至った。経験や所属に関わらず、参加者はこの過程を辿っていた(図)。

【考察】先行研究では起動前に異変を察知しながらも「もう少し様子見てから」と考え、起動のタイミングが遅れていること(川口ら2014)や、看護師だけで起動することはかなりの勇気が必要で、心理的な葛藤があること(谷島ら2015)が知られているが、これは本研究の【RRS起動への躊躇】が相当していると考えられる。そのため、[起動が適切でなかった場合に批判されるかもしれないという懸念]や[経験・知識不足による自信のなさ]に対し、患者の状態がRRSを起動させるほどでないことが判明しても、コールしたことを称賛し、病院内の誰でもRRSを起動できる体制作りや経験・知識不足を補うシミュレーション等を用いた教育が必要であると考える。
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