[P1-5] 高度救命救急センターの初療室での看護実践における安楽に関わる体験
キーワード:安楽、体験
Ⅰ.はじめに
救命を最優先とする看護が行われており、救急の場面ではどうように救命処置と折り合いをつけて患者の安楽に対する看護が行われているのか考えるようになった。Morse(1992)は救急の看護師が無意識のうちに安楽ケアを実践していると述べている。しかしながら「安楽」と救急を結び付ける文献は少ないため、本研究では高度救命救急センターで働く看護師の埋め込まれた「安楽」の意識を掘り起こそうと考えた。
Ⅱ.目的
高度救命救急センターの初療室において看護師が実践する安楽に関わる体験を明らかにすることを本研究の目的とした。
Ⅲ.研究方法
研究デザインは質的記述的研究とした。高度救命救急センターの初療室で働く看護師3名を対象に、半構造的インタビュー調査をインタビューガイドを用いて実施した。インタビュー時間は約60分とした。調査項目は、看護師の安楽の捉え方、安楽ケアに関わることができた体験などとした。分析はインタビューの逐語録を作成後コード化し、「看護師の捉え方」の共通点と相違点を考慮してカテゴリー化した。その後、高度救命救急センターの初療室で行われている安楽ケア、安楽ケア実践に影響を及ぼす要因の特徴を考察した。
倫理的配慮として,説明と同意、匿名性の確保などを保証した。本研究は所属施設の研究倫理審査委員会によって承諾を得て実施した。
Ⅳ.結果
高度救命救急センターの初療室配属の看護師3名にそれぞれ60分程度のインタビューを行った。インタビューを通して4つのテーマが明らかになった。
救命処置が主とされる高度救命救急センターの初療室にも、一般病棟と変わらない患者の安楽へ向けた考えが存在していることが明らかになった。例えば、安楽としての考え方はどこであろうと一緒と述べており、【病棟でも初療室でも安楽のイメージは変わらない】ことが分かった。しかし、救命処置が優先されることに変わりはなく、頑張ってねっていう感じで処置を優先したりする場面もありはすると述べており、【安楽はどうしても二の次になってしまう】ことが明らかとなった。この体勢だったら自分だったらきついよなと【意識がない人は確認ができないため患者の思いを頭に浮かべて対応】していた。しかし、普段あわない症例の時には患者のことを考える余裕がないと述べていることから、【救命処置など目の前のことに一生懸命になると患者の声に耳を傾けられなくなる】ため、安楽ケアを行うには余裕が必要であることも明らかになった。
Ⅴ.考察
江川(2014)はComfortケアがクリティカルケアの場においていかに重要であるかを示唆している。看護師が抱く「安楽」のイメージは初療室でも同様であった。河合ら(2018)の「生命の危機や意識不明の状態にある患者を前に看護師は救命に対して強いこだわりを持ち最優先は救命へのケアを行っていた」という先行研究の結果からも、救命処置が最優先されることがわかった。佃ら(2016)は、ICUにおいて意思疎通困難な患者に対して看護師は患者の立場に立って患者に応じた看護援助を探求していることが明らかにされており、本研究でも同様のことがいえる。そして、江川(2007)の「意思表示ができない患者が大半であり、(中略)人間としての尊厳を傷つける危険性がはらんでいる」という結果に類似していた。初療室においても,看護師は患者の安楽のために,試行錯誤をしながらケアを行っていることが明らかになった。初療室においての安楽を追求するための介入モデルの開発が求められる。
救命を最優先とする看護が行われており、救急の場面ではどうように救命処置と折り合いをつけて患者の安楽に対する看護が行われているのか考えるようになった。Morse(1992)は救急の看護師が無意識のうちに安楽ケアを実践していると述べている。しかしながら「安楽」と救急を結び付ける文献は少ないため、本研究では高度救命救急センターで働く看護師の埋め込まれた「安楽」の意識を掘り起こそうと考えた。
Ⅱ.目的
高度救命救急センターの初療室において看護師が実践する安楽に関わる体験を明らかにすることを本研究の目的とした。
Ⅲ.研究方法
研究デザインは質的記述的研究とした。高度救命救急センターの初療室で働く看護師3名を対象に、半構造的インタビュー調査をインタビューガイドを用いて実施した。インタビュー時間は約60分とした。調査項目は、看護師の安楽の捉え方、安楽ケアに関わることができた体験などとした。分析はインタビューの逐語録を作成後コード化し、「看護師の捉え方」の共通点と相違点を考慮してカテゴリー化した。その後、高度救命救急センターの初療室で行われている安楽ケア、安楽ケア実践に影響を及ぼす要因の特徴を考察した。
倫理的配慮として,説明と同意、匿名性の確保などを保証した。本研究は所属施設の研究倫理審査委員会によって承諾を得て実施した。
Ⅳ.結果
高度救命救急センターの初療室配属の看護師3名にそれぞれ60分程度のインタビューを行った。インタビューを通して4つのテーマが明らかになった。
救命処置が主とされる高度救命救急センターの初療室にも、一般病棟と変わらない患者の安楽へ向けた考えが存在していることが明らかになった。例えば、安楽としての考え方はどこであろうと一緒と述べており、【病棟でも初療室でも安楽のイメージは変わらない】ことが分かった。しかし、救命処置が優先されることに変わりはなく、頑張ってねっていう感じで処置を優先したりする場面もありはすると述べており、【安楽はどうしても二の次になってしまう】ことが明らかとなった。この体勢だったら自分だったらきついよなと【意識がない人は確認ができないため患者の思いを頭に浮かべて対応】していた。しかし、普段あわない症例の時には患者のことを考える余裕がないと述べていることから、【救命処置など目の前のことに一生懸命になると患者の声に耳を傾けられなくなる】ため、安楽ケアを行うには余裕が必要であることも明らかになった。
Ⅴ.考察
江川(2014)はComfortケアがクリティカルケアの場においていかに重要であるかを示唆している。看護師が抱く「安楽」のイメージは初療室でも同様であった。河合ら(2018)の「生命の危機や意識不明の状態にある患者を前に看護師は救命に対して強いこだわりを持ち最優先は救命へのケアを行っていた」という先行研究の結果からも、救命処置が最優先されることがわかった。佃ら(2016)は、ICUにおいて意思疎通困難な患者に対して看護師は患者の立場に立って患者に応じた看護援助を探求していることが明らかにされており、本研究でも同様のことがいえる。そして、江川(2007)の「意思表示ができない患者が大半であり、(中略)人間としての尊厳を傷つける危険性がはらんでいる」という結果に類似していた。初療室においても,看護師は患者の安楽のために,試行錯誤をしながらケアを行っていることが明らかになった。初療室においての安楽を追求するための介入モデルの開発が求められる。